THE RUNNING 走ること 経営すること

Running is the activity of moving and managing.

道には知恵の言葉があふれている

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初詣

信心を持とうがもつまいが、正月ともなると初詣に赴きます。信仰と言うよりは年中行事の一つです。私たちは暦に沿って日頃から生活をしていますが、昔ほど自然とのかかわりが薄くなっているせいでしょうか、暦に対する情緒性は薄くなっているように思います。

そんな自覚も有り、以前と比べ少しまじめに初詣するようになってきました。まじめといっても、自分が住んでいる場所の氏神様へ詣でるという程度です。

以前の初詣では今年の目標や抱負を神前で宣言するようにしていましたが、最近はただありがとうございます、がんばります。という挨拶の機会になっています。正月に親戚や古い友人に会うような感覚に近いかもしれません。

そんな距離感のほうが日本の神様には合っているように感じます。いずれにせよ、普段おろそかにしている本来身近なつながりを感じるよい機会です。

書き初めの言葉

普段筆を握ることは全くありませんが、気が向いた年は書き初めなるものもしています。特にテーマやフォーマットが決まっているわけではないので毎年適当です。今年は「実の如く自心を知る」如実知自心にしました。

普段走っている道にあるお寺さんで見かける言葉です。はじめは「実の如く息を知る」と読んで、なんのことだろうと疑問に思い調べてみると息でなく自心の間違いでした。そんな縁で意味も知ることとなりなかなか印象深く心に刻まれていたことが背景です。

普段身近にある神社やお寺さんに掲げられている言葉には味わい深いものが多いですね。朝ランのコースにある神社とお寺を数えると、わずか5キロのコース上に10軒(社)以上もあります。キリスト教会も2軒あります。折に触れ、そこで見かける「和言愛語」や「大丈夫」といった数々の言葉に励まされています。

大切なことはいつも身近にある

技術進歩やグローバル化という大きな変化の中にあって、つい焦りや不安が強くなるなか、しっかりと日々を生きていくうえで大切なことは意外に身近なところや人にあることを日増しに感じるようになってきました。

ネットの力でたくさんの人とつながることができるようになっても深く接することができる人の数には限りがあります。グローバル化が進んでも文化の多様性が失われることはありません。人間中心で物事を考えると変わらぬこともたくさんあります。

それゆえに、新たな技術やグローバルの流れをとらえるだけでなく、身近にある機会にも敬意と関心を払っていくことが変化に翻弄されない一つの方法であるように感じています。

さて、今年も仕事始めの1月4日に品川オフィスのメンバーと初詣に行ってまいりました。先人の知恵もお借りして今年もいい仕事を増やしていきたいと思います。

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メガネ万歳2016! 今年もっともインパクトのあった一冊

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印象に残る本ってなんだ?

今年もメガネのおかげで沢山の活字に触れることができました。そこで今年も印象に残った本をご紹介しようとふり返ってみたのですが、今年は一冊の本の影響を強烈に受けていたことがわかりました。

書籍や新聞雑誌、インターネットからの文書情報を対象に、その情報に触れたことで思考をぐるぐるさせたかそうでなかったかを縦軸とし、日常の行動に影響を与えたかどうかを横軸にして、触れた情報量をおおざっぱにプロットしてみたところ次のようなグラフができました。

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人間は普通に生きていくだけでもたくさんの情報にふれて常に判断を繰り返しているので新聞やニュース関連のWebのように毎日ふれいているものを中央においてみました。dの円がそれに当たります。一番身近な情報グループですので円の大きさが示す情報量も最大です。社会的に大きな事件や事象が発生してそれが自分にとっても重要でかつ緊急なことであれば新鮮な情報を欲しますのでdはより大きくなります。また、その他の活動に対する余裕がなくなると他のグループは小さくなりばらつきも中央によってくるでしょう。

そんなきわめて主観的かつ相対的な視点でざっくり分けてみました。cはビジネス関連でよく売れている書籍や雑誌が該当しています。bになると世の中で売れているかどうかは関係なくなります。問題意識を掘り下げていく上で読んだ本が中心です。cとbについてはある程度自分の意思や興味がはじめに有り、意図的に読んだ本ばかりです。

偶然の出逢い

今回aに該当する一冊は人から進められて読んだ本でした。精神科医で当社の産業医でもある松崎一葉さんからのススメでした。世の中人も会社も健康ブームといっていいような時代ですが、当社も組織としての健康をしっかり築いていこうと様々な取り組みを始めています。その取り組みに松崎さんからもご指導をいただいています。その中で試験的に実施した心理分析テストに私自身も参加したときのことです。結果のフィードバックでこの本を読むといいと勧められたことがきっかけでした。

読みやすい本で、一度読み始めるとノンストップで読み切ったのですが読後しばらく軽い鬱になりました。最初は文章に書かれていた事象を心の中でイメージに変換しその想像した映像になんとも言えないやるせなさを感じていた程度だったのですが、数日経つと「この感情はなんだろう」と内省せずにはいられないような感覚に陥っていきました。

そして二週間ほどの軽い鬱状態が続いたあと、次第に夜霧が晴れるように心が軽くなっていきました。その二週間は「人生に意味はない」ということがなんとなく腹落ちするまでにかかった時間でした。

人生の意味は自らつくるもの

「人生に意味はない」というとネガティブに聞こえるかもしれませんが、人生の意味は最初から存在しているのではなく、自分でつくるものだという前向きなものです。

宇宙や自然そのものには本来意味など存在していなかった。そこに意味を持たせたのは人間である。しかし「意味」というものを自ら産み出したことを人間は次第に忘れてしまった。だから、意味を探してしまうのだ。人生にはそもそも意味など存在していない、だからそこ自らその意味を創るのだ。そんな風に勝手解釈して受け入れました。

わかったように書いていますがなんとなくそんな感じという程度です。それでも、インパクトは大きいと感じています。むしろこれから効いてくるのかもしれません。

自然をありのままに見ていくと、人間から見て残酷な世界が広がっています。そんな現実と人間社会のギャップや、自分自身の理想と現実のギャップに無自覚の強いストレスを感じていると松崎さんに看破されたようです。

言葉でのフィードバックはほとんどありませんでした。処方箋としての本を一冊薦められただけといっていいのですが、その処方箋の効き方はテキメンでした。最高の名医です。 

V・E・フランクルという精神科医の書いた本

さて、その本ですが、Viktor Emil Franklの「夜と霧」です。初版は1947年です。ユダヤ人精神科医が収容所での体験を記したものです。究極の体験を書いたものからは強い刺激を受ける場合が多いですね。モーリス・エルゾーグの「処女峰アンナプルナ」という登山体験記も昔読んで読後しばらく軽い鬱になった本の一つです。

いずれも当事者が書いた実体験です。フィクションとは一線を画すなにかがあります。アンナプルナは登山家が書いていますが、夜と霧を書いたのは精神科医です。冷徹に人間というものを見つめています。

 今年も印象に残った三冊+一冊を手元に持ってきて書き始めたのですが、フランクルが突出しすぎていたようです。今年は、「夜と霧」この一冊とすることにします。

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自分の身体との対話がもたらすスマートエイジング

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上野原秋山トレイルを走ってきました

今日は上野原秋山トレイルを走ってきました。冬の陽光の中、晩秋の風情残る落ち葉の絨毯の中のランニングクルーズです。今年最後のレースは昨年同様、一年のご褒美にように気持ちのよいレースでした。

今年は2月の東京マラソンを始めに、フルマラソン2本、ハーフマラソン1本、ロングトレイル(50キロ超)1本、ミドルトレイル1本(30キロ超)そしてショートトレイル6本の合計11レースに参加しました。多少のばらつきがありますが、ほぼ月1本のペースです。

ロングトレイルのように10時間を超えて走るものは身体へのダメージが大きいので今年は1本にしました。一方、ショートトレイルは高負荷をかけられる割にはダメージが小さいので回数を増やしました。

トレランを始めた頃は、ミドル以上の長距離レースに出ることに楽しみを見いだしていたため常にオーバートレーニング状態だったのですが、ショート中心の今年は比較的良好なコンディションを維持することができました。

そんなこともあり、今日の上野原秋山トレイルのようにショートのほうが単純に楽しいと思えることが増えてきました。

走っている時に考えていること

私にとってのレースの醍醐味は、走りに集中できることです。普段のトレーニングではなかなか集中することはできません。気がつけばあれこれ考えながら走っています。あまりに集中できないので今ではそれでいいと割り切っています。

ところが、集中できないと「自分の身体との対話」ができません。自分の身体との対話とは、その時のコンディションや身体の動きコースや天候、これまでの経験や知識などを総動員して瞬間瞬間の動きをコントロールする総合的な動作です。

本来歩いたり走ったりという行為は普段なにも考えずに自然にしていることです。ところが、トレイルのレースでリタイアを重ねるうちに自己流や勢いでは問題解決することができず、いろんな方のアドバイスや知識を取り込み活かすようになるほど動作を産み出す人間の身体というものが面白く感じられるようになりました。

その実験台が自分自身であり、実験場がレースです。自分の身体と対話しながら、自分の身体に起きていることを知識とつなげて実験していくことはとても楽しいものです。

レースは健康管理を結果からプロセス中心に転換する

仕事のみならず生きていくためにはなによりも健康第一であるということを本気で思い始めたのは10年ほど前のことです。当時の仕事の負荷に身体が耐えられなくなりつつあった課程で、結局は心身の健康がすべてだと考えるようになりました。

もちろん当時も健康には気を遣っていました。しかし、人間ドックの検診結果に悪いものがあっても日常生活に影響を及ぼすことがなければ、習慣をあらためることはありませんでした。成人病予備軍の状態を当たり前のように受け流していました。

トレランなどのレースに参加するようになってからは自分の限界値を知るだけではなく、自分の身体との対話を通してこれまで以上に身体の動かし方から食、睡眠まで工夫するようになりました。その結果レースの結果だけでなく、人間ドックの数値もあきらかに改善しました。

人間ドックも重要ですが結果中心の健康管理にしかなりません。一方、このように定期的に自分の身体と対話する機会をもつことで日々の生活プロセスが健康管理が中心になるため、身体のエイジングが顕著になる中年以降の健康管理にはとても役に立つと感じています。

余談ですが、今年のショート中心のレース結果から「人間の身体における老化とは、リカバリー能力の低下である。高負荷に耐えられなくなるのではなく、高負荷に対する回復力が低下するのである。」という説はかなりの確率で正しいと実感しています。ここに自然に反するアンチエイジングではなく、自然を受け入れるスマートエイジングの方向感があると思います。

 

さて、昨年の上野原秋山トレイルから始まったブログですが、今日から二年目に入ります。これからも健康第一で無理せず対話を楽しんでいこうと思います。

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東洋的スーパーリカバリーメソッド実験中

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富士山マラソンに参加してきました

今日は第5回富士山マラソンを走ってきました。初めてのフルマラソンが富士山マラソンの1回目だったこともあり、以来毎年参加しています。河口湖と西湖を外周するコースで11月の最終日曜日に開催されるので、天候に恵まれると富士山と紅葉と湖を堪能しながら走ることができます。

また、リゾートマラソンらしくエイドステーションもかなり充実しています。レース途中でも、味噌汁、おにぎりをはじめ、かなりしっかり腹ごしらえができます。ゴール近くでは地元名産の吉田うどんまで振る舞われます。

今年は先日の雪の影響で開催が危ぶまれ、今日も朝から雨模様という状況であったにもかかわらずスタートする頃には日差しも戻り、雲がかかってはいましたが富士山も姿を見せていました。エイドステーションにもしっかりお世話になりながら、なかなか気持ちよく走ることができました。

なぜかペースが上がらない

それほど恵まれた環境ではあったのですが、今日は最初からペースがあがりませんでした。体調が悪いわけではありません。オーバートレーニングになるほど身体に負荷もかけていません。気力についても普段と特段違いはありません。粛々と走るのみと臨んでいました。

走り始めてから血流が全身に回り始めるまで少し時間がかかるので、いつものように最初は抑え気味であっても数キロ走ってからは安定するだろうとそのときを待っていたのですがいつまでたってもまったくペースが上がってきません。

「あれか?」「そんなに影響あるのか?」「うーん」頭の中で自問自答です。普段と一つだけ違いがあるとすれば、昨日「鍼灸治療」を受けたことです。これまで鍼灸治療の経験は無かったのですが、身体のリカバリーに効くのだろうかと興味をもって自分の身体で実験してみようと体験してきたものです。

東洋的アプローチも面白い

治療中に鍼治療の理屈を簡単に教えていただいたのですが、なかなか奥が深く正直よくわかりませんでした。ただ、患部に物理的刺激を与えて回復させるという点では、負荷をかけ筋繊維を破壊してより強くしていくスーパーリカバリー(超回復)という筋トレと同じ原理をより繊細に特定部署に与えているのだろう程度に考えていました。

にもかかわらず今日の状況です。「それにしては、ちょっとインパクトが強くないか?」と走りながらとても気になりました。オーバートレーニングのときの筋疲労であれば心拍数が上がります。しかし、今日は心拍数は同じペースでも普段よりも低いほどです。無理矢理ペースを上げると鍼を脹ら脛に打った場所チクッとした刺激が入り、そのまま力が抜けてしまい失速するのです。それでいて、一定のペースであればなんの問題もありません。

患部がリカバリーするまで無理しないようにリミッターが入っているような感じでした。さすがに長時間走り続けているうちにリミッター効果も麻痺したのか、残り5キロでようやくペースを戻すことができました。

さて、この東洋的スーパーリカバリーメソッドとも言える鍼灸治療。今後の効果の是非について楽しみが増しました。

 

 

 

経営者を育てる社外取締役という仕事

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コーポレートガバナンスコードは使える!

先日、自社の取締役会に対する自己評価調査票を提出しました。2015年6月に日本の市場に上場するすべての企業を対象として導入されたコーポレートガバナンスコードという上場企業の行動規範に則って取締役会が機能しているかをチェックするためのものです。

私は大学生のときには会社を「社会の公器」であるべきだと考えてきました。もちろん、自然発生的に生まれたものではなく身近な人や環境から影響を受け次第に醸成されたものでした。よって、その実現手段についてはどうしても試行錯誤となります。

今回のコーポレートガバナンスコードは特定の利害関係者に偏ることなく長期的な事業発展を促すことを会社のあるべき姿と位置づけているので、私にとってはようやく上場企業が社会の公器であるためのガバナンス上の一般概念が整理され「これは使える」と感じています。

経営者の変化をただすコーチ陣としての取締役会

私が考える公器としての発展を目指す上で最大のリスクとは人間の変化です。ここでいう変化とは経営者が暴走もしくは怠惰に陥るという意味での変化です。

現在の当社の取締役構成は社内2名、社外2名です。そして常勤監査役1名、非常勤監査役2名、さらに法的権限はありませんが、社外取締役に準ずる役割としての顧問1名と合計8名を取締役会参加メンバーとして構成しています。

 自分以外の全員が経営者としての私にとってのコーチです。つねに直言が飛び交い、承認事項や報告事項に対して見直のみならず却下されることも少なくありません。

このような現在の体制は誰かから要請されてできたものではありません。私自身の暴走と怠惰に対する恐怖感から必然的につくられたものです。 

現役経営者が自身をふり返る機会としての社外取締役という立場

社外取締役の意義に対する認識は、過去の自分自身の社外取締役経験が元になっています。一つは東証一部のアルプス技研(4641)、もう一社はマザーズ上場のカヤック(3904)です。いずれも業種業態が異なるなか、貴重な経験機会をいただきたくさんのことを学ぶことができました。

 それまでは自社の経営しか経験したことがありません。社外取締役という立場にかなり戸惑いました。行き着いたのは自分の経営者としての経験を通して感じた違和感を可能な限り直言していくことでした。その上で必ず「発言する」ことを決めて臨みました。

 ところが現役の経営者の方々を前に社外役員として自由に発言するのは難しいものでした。「まぁ、首になってもいい立場だから、遠慮しなくていいだろう」と清水の舞台から飛び降りるつもりで発言することもたびたびでした。

そのような経験を通し、外部の人間が直言しやすい環境をつくることは思った以上に簡単ではないことを痛感しました。以後、自社の取締役会をはじめとした経営会議にて自由闊達な発言が本当にできているのか、従来以上に注意するようになりました。

シン・ケツゴウの可能性を高める機会

また、自社のガバナンス状況を客観視する機会とは別に、新たな事業機会を涵養する場としても役立つものでした。自社とは異なるビジネスモデルやコーポレートストーリーをはじめさまざまな未経験領域に当事者意識をもって触れることで新たなビジネスチャンスや発想を磨くこともできます。

相手方にとっても異なる経営経験を持つ人間が発する違和感や発言は少なからずなんらかのインパクトを与えていることも実感できました。通常の事業提携や資本提携よりもゆるやかなものではありますが、新たな発想や可能性を生み出す環境としてなかなか貴重な機会でした。

そのような経験から、上場企業の現役経営者が他社の取締役を引き受けることは事業の再構成や新結合を産み出すための施策としてかなり有効であると思います。異なる業界同士であれば双方の経営資源を結びつけ新結合による新たなビジネスが生まれる可能性も高まります。同じような業種であれば経営統合などが円滑に進むかも知れません。

いずれにせよ、現役経営者が自社の経営をおろそかにしない範囲で異なる企業の経営にも触れることは自社の経営にとってプラスとなることは間違いありません。

経営者の成長にもコーチと客観視できる環境が役立つ

経営に限らずなにごとも自己流ではいずれ限界に達します。経験上、その限界を超えるために役だったのは、優良なコーチの存在と自分を客観視できる環境です。よく経営者は孤独だという言葉を耳にすることがありますが、本当に孤独であってはいけないように思います。常に苦言を呈し高い目標設定を与えてくれるコーチに恵まれ、一方で自分自身の経営を客観的にふり返ることのできる経営者としての研鑽環境を持つことができれば孤独に取り組む以上によい会社つくりに貢献できると確信しています。

自社のことに一生懸命になるあまりに自己流で独善的な経営となっておかしくならないよう、これからも暴走と怠惰を許さない厳しいコーチとともに切磋琢磨したいと考えています。

ピアノ協奏曲、横から見るか 上から見るか

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「やばい、やばい、これはやばい!」心の中でなんどもつぶやきながら釘づけ状態。Yuja Wang(ユジャ・ワン)若き天才ピアニストの超絶技巧ピアノソロです。鳥肌が立ち続ける演奏を聴くのは久しぶり。彼女の手にかかるとモーツアルトのトルコ行進曲がこんなことに!

www.youtube.com

さて、ユジャ・ワンの話題はここまで、今回はその演奏を見る位置の話です。

昨晩、ニューヨークでのこと。訪問先でアバントの社外取締役でもあるジョルジュ・ウジューさんから「今晩空いているか?」と聞かれ「大丈夫だ!」と返すと、「OK、それじゃぁコンサートへ行こう」とその場で映画のチケットのように自らネットで座席指定。「ピアノの演奏を見るのはここがベストなんだ」と彼が指定したのはLincoln Center David Geffen Hall三階の舞台に向かって左翼前方の席でした。

そこで聴いたというか見たのがユジャ・ワンの演奏です。ロンドン交響楽団によるワーグナーのマイスタージンガー前奏曲から続く二曲目が彼女をメインとするラヴェルのピアノコンチェルトGメジャー(協奏曲ト長調)です。リンクを貼ったYoutubeのトルコ行進曲はそのアンコールの二曲目でした。

マイスタージンガーは普通に聴いていたのですが、グランドピアノが指揮者の前におかれユジャ・ワンの演奏が始まった途端に「やばい」状況になります。

ユジャ・ワンの超絶演奏を左後方上から覗き込むことでまるでCG処理をしている映像を見るがごとしなのです。鍵盤と手指がピアノブラックの鏡面に写りこみ、その先にある弦とハンマーの動きと連動するさまは圧巻です。映画「海の上のピアニスト」で主人公がジャズピアニストの大御所と演奏バトルするワンシーンのようでした。

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この席は演奏のすごさを味わい尽くすことができる。こんな楽しみ方があるのかと感動しきりです。交響曲には交響曲の、オペラにはオペラの、そしてピアノコンチェルトにはピアノコンチェルトの楽しみ方があります。もちろん流派は人それぞれ。それでも今回のポジションは本当にすごかった。

ちなみに、オペラはできるだけ前の席がよい。これはまた別の師匠から教えていただいたことです。いろんな座席を試してみましたがこちらも納得です。

今回は音楽がらみで好きな映画をあと二つほどご紹介いたします。

movies.yahoo.co.jp

この映画がきっかけでラフマニノフを聴くようになりました。

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この映画の中心をなすチャイコフスキーのバイオリン協奏曲が私はクラシックで一番好きです。この曲をアレンジして使った映画、ライトスタッフが好きだということもありますが。

上記三作、見るたびに泣きます。こういった映画を見るのは、一人気兼ねなく泣ける場所がいいですね。

支える側もすごい! 第24回日本山岳耐久レース(ハセツネCUP)

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ハセツネCUP!今年も参加してきました。

やっぱり今年もハセツネが一番印象に残るレースでした。

blog.runavant.com

そこで今回は71.5km、16時間56分のレースを4分20秒の動画にしました。

ビデオの撮影ポイント

撮影ポイントはスタートからゴールまでの17ポイントです。スタッフの方々から必ず声をかけていただきました。撮影しなかったところでも大会スタッフの誘導サポートがありました。選手の中には約40名のマーシャルと呼ばれるレース中に負傷した選手の救護やレース運営の支援を行うサポートランナーもいます。寒空の下、夜を徹した沢山のサポートにただただ感謝です。

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冒頭の写真は⑯日の出山からの夜景です。

それでは4分20秒でハセツネCUP!

youtu.be

TEAM AVANT

今回アバントグループからの参加は4名、40代が2名、50代が2名です。全員無事完走しました。レース直後は来年のことは考えたくないという雰囲気でしたが、二、三日経つとまた来年も出ましょうということに。これこそハセツネマジック。

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ありがとうございました!

動画を編集していて、大会スタッフの方々をはじめたくさんのサポートにものすごく支えられ守られていることを改めて実感しました。支える側もすごいレースです。スタッフや関係者の方々に心から感謝です。ほんとうに素晴らしい体験機会をありがとうございました。