THE RUNNING 走ること 経営すること

Running is the activity of moving and managing.

カレンダーと天文年鑑2019

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師走に入り、来年のカレンダーが手元にも増えてきました。アバントグループの卓上カレンダーも出荷が始まっています。来年も自然をテーマとしたものですが、出来は歴代最善です。

カレンダーの写真はグループのメンバーが撮影しています。作品を眺めると作家それぞれの個性が感じられ、それらが組み合わさる事で単調さを打ち消しクオリティも高めています。一人だとこうは行きません。チームで生み出す力は絶大です。

話は変わりますが、カレンダー同様この時期必ず入手している暦本があります。「天文年鑑」です。小学5年生以降、途切れていた時期もありますが毎年購入しています。一年の天体イベントをざっと知っておくために重宝しています。

今年の天文ショーで記憶に残っているものは1月の月食と7月の火星大接近です。特に夏の夜空に輝く赤い隣星は、しばらく観望の好条件が続いたこともあり幾度も目にする事が出来ました。

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写真は皆既状態の今年一月の月。横着して部屋から撮ったので軒が映り込んでいます。

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こちらが7月の火星。スマホの手持ちで撮ったものです。左中央の赤っぽいのが火星、右上の小さく白いものが土星です。火星と土星の大きさと色の違いは明らかです。

個人的に印象に残る天体現象をいくつか挙げると1997年のヘールポップ彗星、2001年の獅子座の大流星雨、2012年の金環日食という所でしょうか。清里近くの棒道で祈るように見た彗星、千葉の海岸で見た降り注ぐような流星は思い出すだけで興奮が蘇ります。最初の写真は2012年の金環日食、品川インターシティの中庭からです。

さて2019年はと言えば、今年に比べると少しおとなしいとのこと。とは言え1月6日の午前中に部分日食が日本でも見られるようです。デジタル化社会の中で生き残る創刊71年目の天文年鑑という専門暦書に、畏敬の念を持ちつつ来年もお世話になります。

龍野、安来、出雲、三景

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先日、本籍地のあった兵庫県たつの市を訪問。姫路から程近い古い街並みが残る洒落た城下街。姫路城の豪華さもさることながら、落ち着いた小京都の佇まいも中々です。

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帰路、島根県安来市の足立美術館に立ち寄り。雄大な借景を活かした庭園と大山大観の作品が目当て。天龍寺にも劣らない、と感じた庭と里山の借景を残した足立全康という事業家の情熱に脱帽。

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出雲大社に参詣して、帰京。古から引き継がれてきたおおやしろ、その場に身を置くだけで心が洗われます。

なんとなく最近よく転ぶなぁ、と思ったら視野を鍛えよう。

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身体は食べたものから出来ている。意識は見たものから出来ている。視覚以外の五感も情報を取り込む上で重要な役割を果たしていますがおおよそ8割と言われている視覚の重要性に疑いの余地はありません。

にも拘わらず、これまで視覚に対する意識は低く、身体やメンタルのトレーニングと比べると、全くの無関心でした。

眼にトラブルが無いからではありません。加齢による遠視(老眼)や乱視で視力は衰える一方です。視力が良かっただけに現在の見え方には不満が募ります。

むしろ、もっと関心を持つべき状態ですが、老眼は治らないといった話から受け入れるしか無いのだろうと思っていました。

ところが、先日ジムのトレーナーさんに、最近トレイルで転ぶ事が増えたような話をしたところ、それは視野が狭くなっているからでは?という話になりました。なるほど、筋力や反射神経の問題と言うよりも視野の問題か。目から鱗が落ちました。

「視力の改善は難しいが、視野は鍛えられる」だそうです。米国ではアイパフォーマンスメソッドという理論があり、NFLなどのプロスポーツチームには視野専属のトレーナーがいる程一般的なトレーニング項目だそうです。

これまでは視力ばかりを気にしていました。高解像度でカチッとした映像を追い求めていましたが、確かにトレイルを走っている時のみならず普段の生活でも動くという動作では視力より視野の方が重要です。視力に囚われて視野の衰えに気付いていませんでした。

そこで、簡単な視野トレーニングを試したところ、トレーニング前後で文字の音読時間を計測するテストで約20%程度の改善が見られました。

トレーニングといっても簡単です。まず両手を前に突き出し、左右の手の親指をそれぞれ左右の視野ギリギリまで広げます。そして、頭を動かさないように気をつけながら視線をそれぞれの親指に、右、左、右、左と動かします。無理なく動かせる最速のスピードでOKです。20回程度ワンセット行ったら、上下、左右、斜め、前後とそれぞれワンセット行います。以上です。運動前など視野を使う前に行うと良いそうです。

ランニングを効率よく行うための体幹の重要性は痛感していたのですが、視野も今後は重要になりそうです。オーバーフィフティーで走り続けるためには、いろいろと工夫が必要ですが、新たな発見もあり楽しくもあります。

 

(写真)最近バーチャルでNYのセントラルパークを走れるようになりました。

雪纏う富士三景、雁ヶ腹摺山・滝沢林道・二十曲峠より

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寒気の入った雨上がりの快晴との予報を受け、今朝は10月にも拘わらず綺麗に雪化粧した富士山が現れるだろうと、絶景が拝める三カ所を巡りました。最初は旧500円札を描いた場所の雁ヶ腹摺山への登山口付近から。気温5度、さすがに手がかじかみました。今日は登らず、そのまま次のポイントへ。

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2番目は、富士山麓の滝沢林道。あまりに快晴過ぎるので黄葉しているミズナラをメインに。

f:id:runavant:20181021144617j:plain最後は二十曲峠。稜線が美しく一番撮影回数が多い場所です。やはり快晴のためここでは松の木に雲の代役をお願いしました。

来年の年賀状準備のための撮影でした。一ヶ月ほど天気待ち状態だったのですが、締め切りまでの最後の週末にチャンス到来、ギリギリ間に合いました。

 

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岡田紅葉という巨匠の写真が好きです。大正から昭和にかけた65年間で38万枚を撮影したそうです。その作品の殆どはモノクロームですが、どことなく日本画のようであり現在のデジタル+カラーとは全く別の世界観です。紅葉の写真には力があります。

その影響でしょう、富士山をモノクロームにすると畏怖への力が引き立つような印象を受けます。

さて、来年の賀状はどれを使うか。

今年のハセツネ(第26回日本山岳耐久レース)はもっとキツかった。

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通称ハセツネ、日本山岳耐久レース。リタイアでした。

今年で4回目の出場。通算10回完走すると得られるアドベンチャーグリーンを目指しているのですが、途中で水切れになり断念しました。

本来、ヒマラヤなどの登山者訓練レースと位置づけられているハセツネは、通常のトレイルランのレースと異なり71.5キロの行程で水のみの補給が一カ所という実質エイドレスのレースである事が特徴です。

体調と天候に応じた装備やペース配分が問われる中々奥が深いレースです。また来年チャレンジします。

 

(独り言)

これまで毎年ブログに書いてきた三大レースの一つなので、結果に拘わらず書くことにしましたが全く筆が進みません。文章にすると、なんとも言えない忸怩たる思いが募ります。

天候と体調の影響でいつもより発汗量が多く、序盤からペースを大きく落としてほぼ徒歩ペースで進んだにも拘わらず例年通りより500ml多めに持った水は減る一方。22.6キロ地点の第一関門ですでに残り500ml。ここで既に水切れは見えていたのですが発汗を抑える気温の低下を期待して進んだものの、三頭山への急登を前にした西原峠前でほぼ残りを使い切りました。

急登を越えた次のエイドまでおおよそ3時間、毎年汗だくになるエリアです。水の消費状況を鑑みると結論は明白にもかかわらず、西原峠前の見晴らしの良いベンチにヘッドランプを消して腰掛け、リタイアの是非を長考していました。

今年は名物の夜の霧も出ず、見晴台からの星ゾラがやたら美しく、そういえば四年前のSTYでリタイアを決めた時も、星がきれいだったなぁとなにか理由を探していました。

私がアドベンチャーグリーンを目指す目的は、ハセツネを走りきれる心身の健康状態を60歳を過ぎた頃でも維持出来るようにしたいというものですが、早々に洗礼を受けてしまいました。

健康を促すためのハセツネです。破壊行為としないためのリタイアとは言え、今回の結果は日々の健康管理の結果です。とても真摯に受け止めざる得ません。自分の体力や健康状態をしっかりと確認し、日常の健康管理も見直そうと思います。

一方で、ハセツネのサポーター、マーシャルの方々のありがたさを今回は一層強く実感しました。第一関門でその先まで行く事を決めたのはサポーターの方々の熱い応援です。まだ可能性があるならここで止める訳にはいかない、そんな気力をもらいました。

台風などの影響でコースがかなり荒れていたこともあり、途中負傷する方もいましたが、いつでもマーシャルの方々がすぐに駆けつけ迅速な対応をされていました。

リタイア者の収容も極めて円滑で、下山の方法、搬送等これまでのリタイアレースの中も最高のサポートでした。

厳しいレースですが、相当な安全対策がなされています。本当に感謝です。

また、今回はチーム参加でしたのでチームメンバーにも迷惑をかけました。応援に駆けつけてくれたメンバーもいたのですが、その思いにも応えられませんでした。本当に申し訳ない気持ちで一杯です。

この気持ちを忘れないように、ブログに刻んでおこうと思います。

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この会社のかたち、変容する企業のあり方

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2018年9月19日は株式会社アバントの22期株主総会でした。今年は会場を竹橋のKKRホテル東京(写真は控え室から)に移しての開催です。沢山の株主の方々にお集まり頂き、質疑応答では多数のご質問、激励を頂戴致しました。

後からふり返って、少し触れておけば良かったと思うことがありますので今回はその話題にします。

アバントグループは今期新たな中期目標を定めました。この中期目標は「会社」というもののかたちが社会においてどの様に変わって行くのか、そんな事も想像して長期的なビジョンを描きつつ策定しました。

まだ見ぬ未来を想像することは簡単ではありません。しかし、事業活動が場当たり的にならぬよう、方向性は自分達なりにしっかり抑えておく必要があります。

私達が見ている主なトレンドは次のようなものです。

 

1.会社の社会性の重要性が高まる。

2.上場企業の金融経済に対する役割がより強くなる。

3.人を創り、社会に残すという役割も強くなる。

 注:各論については別途機会を見て補足します。

 

上記トレンドを前提に、世界に通用する組織への進化を目指す「BE GLOBAL 2023」という中期目標に向けたアクションを開始しました。主な活動方針は次の通りです。

 

A.貢献すべきお客様をグループで統一し、信用を最大化する。

B.ノウハウや経験をソフトウェアを中心に徹底的に蓄積する。

C.上記の活動で創出した機会、時間、事業資産を人の育成に可能な限り振り向ける。

上記を通して、企業価値の最大化を目指すというものです。

 

先日アバントのグループ公認部活動であるバスケ部の試合の応援に行ってきました。強力なパッションを持つリーダーのもと、有志メンバーが組織の垣根を越えて繋がり、活動している姿は感動ものです。

「会社」というものが、稼ぐ手段に留まるのであればこの様な活動はあまり意味は無いのかも知れません。しかし、人をつくり社会に残すための会社という事になると、仕事以外の繋がりや活動も重要になります。

グループの部活動は、ビジネスインテリジェンス事業を担うジール社から生まれました。現在では他の事業会社へと伝播し、アクティビティ(旅行やボランティア)、ダーツ、バスケ、フットサル、野球、ランニング、山登り、Protein & Training(筋トレ:一番人気らしいです)、自転車、バトミントン、外にも予備軍があるようです。

グループ三社以上のメンバーで構成されていることが条件となっているグループ公認部活動は現時点ではバスケ部だけですが、こういった活動も活発になるよう環境を整えて行こうと考えています。

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 会社は「公器」である。創業以来の理念の一つですが、ようやくその実現に向けた活動が少しずつ始まりました。

何を言っているかわからないCEOを意訳するCFO

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先日、スタートアップやインキュベーターが集まるイベントに顔を出してきました。すでにIPOを果たしている企業経営者が講師となって、沢山の起業家と自分の経験や考え方を共有するような場です。

当初一つだった会場が、途中から部屋を分割してCEOセッションとCFOセッションに分かれました。私は講師ではなかったので興味があったCFOセッションに参加しました。

錚々たるベンチャー企業のCFOの方々がパネリストでしたが、隣のCEOセッションと比べて参加者が圧倒的に少ないことに「まぁそうだろう」と納得しつつも、思わず「もったいないなぁ」と呟いてしまいました。

起業において(プロジェクトも同様です)絵に描いた餅を食べられるようにする最重要要素はチーム(=実行力)つくりです。そのチームつくりの点において一般的な聴講の場であると、現在CEOの方々が他のCEOの話を聞いたとしても背中を押されはすれども飛躍はないでしょう。そもそもCEOをやっている時点で同じ人種です。一方で、成功した企業のCFOの話を聞けば、どの様な人と仕事をすれば良いか、ヒントを得られます。そんな思いからの「もったいない」でした。

それはさておき、肝心のセッションですが。CFOの役割についてディスカッションする中でCFOの方々が異口同音に話されていたのは、「ベンチャーのCEOの話って、何言っているかわからない、でもやたらと熱い!そして、何年たっても、同じ事を言ってるんですよぉ」ということでした。思わず自省して苦笑い。

本人は懸命にわかりやすい説明を心がけているつもりでも、言いたい事がてんこ盛りで言語がついて行かず、手足が動き始めて気がつくと周囲が???な状況になるのは数えきれず、説明下手の自分に自己嫌悪しつつ悶々とする日々は日常の風景です。

CFOの方々の話はこう続きます。「その何言っているのかわからないものを翻訳して可視化するのもCFOの重要な役割なんです。特にベンチャーの場合は」。

正鵠を射るコメントに心の中で「よっ、播磨屋!」状態です。CFOに限りませんが、確かに自分が言いたい事を他のメンバーが翻訳して話しが出来るようになると急激に戦略の実行力が高まるという現象はこれまでも幾度となく経験して来ました。

特にCFOという立場、つまり財務的視点で戦略の妥当性を検証し、その実行を補助する役割は、一種のインタープリターと言えます。しかも、構想や思いを戦略に「意訳」できるCFOの存在はチームの成果に大きな影響を与えます。

海外に行って片言の言語で会話するより、一流の通訳の力を借りて会話するほうが圧倒的に仕事の品質があがるように、なにを言っているかわからないとよく人から言われる覚えのある人は、CEOとしての研鑽もさることながら、そんなCFOとの出会いに力を入れた方が事業の成功確率は上がるでしょう。

いやぁ、CFOの存在って本当に超重要です。