THE RUNNING 走ること 経営すること

Running is the activity of moving and managing.

スキー専用ゲレンデにいったら、再開したスキーがスポーツになった

4月から始まるトレイルシーズンを前に、レースコースで走ったことのあるスキー場に出かけた。一昨年参加した美ヶ原トレイルランのメイン会場だったブランシュたかやまである。 スキーヤー専用のゲレンデらしく、レベルの高いスキースクールの様子をリフトか…

無理せず全力というスタンスは、問題の設定から始まる

10代から、書くことで心を整える習慣が続いている。今でいう「言語化」である。もやもやした感情を言葉にすることで、不安や恐怖感の理由を特定し、解決のための行動に集中することができる。 自分との対話は、壁にぶつかった時に長くなる。順調な時は短く…

東京マラソン2024、無理せず全力で走ってみた

今日は東京マラソン2024。 天候にも恵まれ、2017年のパーソナルベスト(PB)を3分更新した。 もとのPBがそれほどでもないとはいえ、58歳でPBを更新できたのは驚きだ。 無理せず全力というスタンスが効いている。 しかしながら、来年はもっ…

日経平均株価最高値更新:本格的企業価値経営の時代に突入

2024年2月22日、ついに日経平均が最高値を記録した。 1989年12月29日以来、34年ぶりの高値更新である。平均株価を構成する銘柄や株価の評価指標といった質が全く異なるものなので参考値程度に見ておけばよいものではあるが、1990年に社…

東京マラソンまで二週間、仕事と練習で心身のバランスを整える

東京マラソンまであと二週間。今年はだいぶ練習方法を変えたなぁ。練習レースも入れず、週末にゆっくり長く走り続けるLSD(Long Slow Distance)をメインにした。今週末は両日とも仕事だったが、なんとか予定していた練習ができた。おかげで、心身のバラ…

CEOがCFO組織に求める、気象予報士のような役割

先週関東甲信地方に大雪警報が発出された。首都高をはじめ、各種交通機関などで予防的通行止めなどの処置がとられた。 幸い大事は発生しなかったようだが、2018年1月の大雪で発生した山手トンネルの大渋滞の経験を生かした予防処置と聞いている。 一見…

「神は内部に宿る」GPT時代のラストワンマイル

ある日、考えが煮詰まって身近な何人かに相談したいと助けを求めた。雑談のような場であったが、短い時間で煮詰まっていた問題の輪郭が見えた。 本当に解決すべき「問題」を特定することはかなり難しい。 人間の身体でも、どこかに痛みが生じると対処療法的…

バックキャスティングでバージョンアップする21世紀の「論語とそろばん」

バックキャスティングという言葉がいろんなところで使われるようになったと感じてる。未来のビジョンから逆算して現在の行動をつくっていくというものだ。 企業経営現場では、「企業価値というものは成り行きでは高まりませんよ、しっかりとありたい姿をイメ…

イタイ経験から得られる学びの醍醐味:私たちはどう学んでいるのか

「私たちはどう学んでいるのか」(鈴木宏昭)を読んだ。 私はどこかでいつも自分を疑っている。言い換えると、まともな判断ができているのかつねに自信がない。というのも、子供のころから自分の思い込みが事実と異なることで起こるイタイ思いを幾度となく経…

続けたいことは何か、がはっきりすると行動が変わるという話

ゆっくり長く走るというトレーニングを夕方から始めるとあっというまに暗くなる季節だが、空の開けたコースだとマジックアワーが楽しめる。 ほんの数年前であれば普通に走れた距離でも少々しんどくなってきた。そんな身体の変化を知ることは嬉しくはないが、…

同じテーマで異なる世代の著者の本を読んだら面白かった

12月24日のブログで触れた『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(伊藤亜紗)にインスパイアされ、人間の知性に世代的多様性から触れてみようと気になる本を何冊か読んだ。 一つは、外山滋比古さんの『自然知能』。「思考の整理学」が有名だが、「…

富士登山競争で、無理しないことを学んだ2023年

2023年もいろんな変化があった。生活習慣における一番の変化は「無理をしない」ようになったことである。食事や運動、仕事においてもこれまでのような無理を押し通さず、身体を労わるように生活習慣の微調整を繰り返すようになった。 自分の内面と対話す…

ダイバーシティについて悩んでいた時に、目からうろこの本に出逢った

今年も経営に関する話題はたくさんあったが、上場企業のPBR(Price Book-value Ratio:株価を簿価で割ったもの)1倍割れ問題とならんで「人的資本経営」も流行語大賞の候補だろう。 「人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引…

教育とは、知識を与えることではなく生きたインスピレーションを与えることである

来年4月から大学で講義をする機会を得た。講座のコンテンツ準備を始め、人生の後輩たちに何を伝えられるかを考えていて、15年前の体験を思い出した。 上場から数年経ち、成長戦略の壁にぶつかり、経営者としての自分の限界を痛感していた頃だ。そんな中、ア…

第13回、武田の杜トレイルラン、走って食って寝る、それでいい

今日は今年の締めレース、武田の杜トレイルランニングレース30キロに参加してきた。武田信玄公をまつる神社から、武田の杜をめぐる里山系のレースである。 神社に参加選手が集合して「正式参拝」を行ってからのスタート。武田神社だけに、出陣前の心が整う…

万年日めくりカレンダーで「自靖自献」を毎月眺めていたら、心に余裕が生まれたという話

師走だ。今年も一年を振り返り、新年の準備を始める時期に入った。 年賀状は準備したか、タイヤは交換したか、窓の掃除は終わったか、来年のカレンダーは買ったか、などなど、忙しい。(笑) 忙殺されがちな毎日、今年は「活学語録カレンダー」のお世話にな…

「生まれてはみたけれど」、小津安二郎のリメイクが印象的だった話

めずらしくリアルタイムで番組を探していたところ、WOWWOWの連続ドラマWが目に留まった。小津安二郎のリメイク、「生まれてはみたけれど」である。このタイトル、数十年前「ぴあ」という情報誌でよく見かけたような気がするが、見たことはない。 私は、小津…

MINATOハーフ×IT駅伝、Beat Yesterday

今日は、MINATOシティハーフマラソンとITチャリティ駅伝に出走した。昨年に続き、二つのレースが同日開催になったのだが、移動時間を含め、ちょうど掛け持ちができるスケジュールということもあり、ダブル参加を決めていた。 ITチャリティ駅伝は2011年か…

「最後はなぜかうまくいくイタリア人」を読んで寄り道をしたくなった

「最後は なぜか うまくいく イタリア人」(宮嶋勲)を読んだ。 ヨーロッパで行ったことがある国は、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、スイス。身近なようでなぜか一度も行ったことが無いイタリア、理由は簡単、仕事の用事がないからである。 20年以…

「THE GOOD LIFE」を読んで、感じた違和感について考えてみた

「THE GOOD LIFE」(ロバート・ウォールディンガー、マーク・シュルツ)を読んだ。ハーバード成人発達研究の80年以上の追跡調査によって明らかになった「幸せ」の要素と、それを磨く処方箋である。 科学的アプローチで人間の幸せを探求するための膨大な調…

第6回、烏帽子岳登山競争

昨年に続き、二度目の烏帽子岳登山競争に参加した。山頂をゴールとする7.5キロ、+1200メートル、今年は85名が出走という小規模なファンラン大会かと思いきや、かなりのガチレースである。 出走後1分で最後尾グループとなり、15分後にはその最後…

「心の中のブラインド・スポット」を読んで自分の盲点を考えてみた

「心の中のブラインド・スポット」(M・R・バナージ+A・G・グリーンワルド)を読んだ。 冒頭、網膜の盲点を実際に体感させることから始まる。格子状の図のある部分が黒丸で塗りつぶされているのだが、そこにうまく盲点を合わせると黒丸が格子になるのである…

経営者として体験した認知の壁とその原動力

企業価値を意識した経営というものを考えていて、なぜ私たち日本人にとってそれが難しいのだろうかと自分の経験を振り返っていた。MBAのような経営者教育が一般化してないこともあるが、欧米の価値観を理解しないと簡単には越えられない、いくつもの「認知」…

多様な機関投資家との創造的対話は役に立つ

先月末に株主総会を終え、欧州の機関投資家向けのIRツアーに出かけていた。 「世界に通用するソフトウエア会社をつくる」というビジョンを掲げた自社の成長戦略を磨くために、数年前から海外の機関投資家回りをするようになった。株主だけでなく、潜在的投資…

アダム・スミスと自他一如

18時間かけてやってきたエディンバラ、滞在時間は17時間。初めての街、朝ラン中にアダム・スミスの銅像に遭遇。富国論、「神の見えざる手」だ。 自由な市場で、個人がそれぞれの利益のためにビジネスを追求すると、社会が豊かになる。そんなところだろう…

秋の空気と渡良瀬川

関東平野のど真ん中、古河の三国橋からの景色。 右手遠くに日光連山の男体山、水門の右上は皇海山あたりか。ぐるりと見渡すと、赤城山、浅間山、富士山もはっきりと見えた。 走りやすい秋の空気がやってきた。

「言語の本質」を読んで意志を持つAIについて考えてみた

「言語の本質~ことばはどう生まれ、進化したか~」(今井むつみ・秋田喜美)を読んだ。 中学生時代、カール・セーガンの「COSMOS」に夢中になった。宇宙というものを、歴史や化学、天文学、多様な角度から映像化した番組はビデオが擦り切れるまでなん…

「熟達論」を読んで、クオリティ・オブ・ライフを考えてみた

「熟達論-人はいつまでも学び、成長できる-」(為末大)を読んだ。 私はオタクが大好きだ。なにかを深く突き詰めていく人に強く惹かれる。著者は間違いなく超一流のオタクである。 本書には、多様な読み方がある。世界のトップアスリートであった著者の体…

「信長の正体」を読んで「歴史学者の正体」を考えてみた

「信長の正体」(本郷和人)を読んだ。 うーん、深い! 先日、著者の本郷さんから頂いた本である。東京大学の史料編纂所教授の著者はとにかく知識量が半端ない。生きる「大日本史」といっても言い過ぎではない。日本歴史上の人物を知り尽くした本郷さんが一…

年をとるのは大変だ!:「人生後半の戦略書」と「人生の五計」

「From Strength to Strength」『人生後半の戦略書』(Arthur C. Brooks)を読んだ。 夜行の機内で「死んだほうがましだなんて言わないで」と年配の女性がだれかに小さな声で囁いている、そんな話を偶然聞いたところから始まる。人生に後悔が多いのだろうか…