THE RUNNING 走ること 経営すること

Running is the activity of moving and managing.

断食を終えてから二週間、その後の変化について

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もう少しで起業してから20年になります。起業は二つの個人的な夢から始まりました。創意工夫して世の中の役に立つなにかをつくりだすことが好きな人にとって理想的な組織をつくることと、そこに集う仲間と世界に通用するソフトウェアを産み出すことです。

等身大の力量を超えた夢を持つことでこれまで何度もその夢に押しつぶされそうになりました。精神的に鬱になることもあれば体調を崩すこともあります。

そんな生来決して強くない心身を夢に潰されないようになんとかしようと試行錯誤して来ました。登山もトレイルランも先日の断食もその一つです。そうこうしているうちに夢のおかげで試行錯誤を楽しめるようにもなってきました。

今回は前回に続き断食ネタです。まだ二週間ですが、断食後の変化は直後の想定以上に大きいものでした。

基本的な体調について

まず、一番の変化は酒が残らなくなったことです。一回あたりの酒量は以前と変えていませんが、翌日の回復度合いが全く異なります。体感だけではなく飲酒後の安静時平均心拍数(RHR)も平均して5%程度低下(低いほうが疲労回復)しています。

体重は六日間の断食終了時点で約4キロ低下しましたがその後3キロ戻した後に再度1.5キロ程度低下しそのまま安定(2.5キロの純減)しています。体重減と直接の影響があるかはわかりませんが股関節の動きや柔軟性が若干向上しています。

断食後のレース結果

先週は道志村トレイルレースのハーフ(距離20.4キロ+昇降1800メートル)、今週は経ヶ岳バーティカルレースのショート(距離12キロ+昇降600メートル)に参加しました。

道志では一つ実験を試みました。行動時間4時間超のレースなので通常はレース前とレース中と糖質補給を行うのですが、断食中に糖質をとらずに体内の脂肪で走れたことから糖質補給は行わずクルミなどのナッツ類だけにしたところ問題なく最後まで走り切れました。これまでは糖分補給を怠ると途中でハンガーノックアウトになっていたので驚きです。

パフォーマンス面では昨年4時間49分が今年4時間31分でした。大幅に短縮しているように見えますが途中で渋滞する箇所のコース改善があったことと総合順位が昨年とほぼ変わっていないので行動中の速度はあまり変わってないでしょう。しかし疲労のリカバリーについては全く異なる結果になりました。

道志後六日で経ヶ岳バーティカルなのですが、昨年は最初の4キロで失速しその後の登りについては脚の乳酸が抜けず途中なんども休まなければならない状況でした。道志の疲労が全く抜けていなかったのです。昨年の状況もあって今年の経ヶ岳はショートにしたとは言え、想定していた疲労もなく終始快適に走りきれることができました。

昨年と比べて明らかに疲労回復のスピードが異なっています。

食生活面の変化

食に関する感覚が以前より敏感になりました。食べて疲れるものとそうでないものの区別がつくようになったのです。もちろんしっかり食べなければ力も出ませんので食を減らすということはないのですが、食べ疲れするものは自然と減らすようになっています。

なにが疲れる食材かは特定できていませんが、概ね生野菜の総量を多くしてそれ以外の比重を下げておけばよさそうです。私の場合、蕎麦が案外食べ疲れることに気づきました。食を軽めにしようと蕎麦にすると「ん?」と感じるようになりました。

これまではなんとなく習慣で食事をとってきましたが、身体の反応を見ながら食事を考えることがかなり新鮮で楽しく感じるようになっています。

メンタル面の変化

著しい変化というものは無いのですが、無理矢理気力をつくるということをせずにいられる時間が増えているように思います。雑談していたドクターの話では脳が利用するグルコースとケトン体のエネルギー比率の変化によるものらしいのですが、この論点はメンタルの安定化という側面からももう少し掘り下げて行きたいテーマです。

雑感

切羽詰まって手を出した断食ですが、その後の結果を見ているといろんな変化を促しています。単なる肉体の健康面だけでなく、精神面にも変化があるようです。もちろんドラスティックな変化ではありません。それに誰にでもお勧めというものでもありません。5年前の自分自身にさえ勧めることはしないでしょう。ただ、現代は普通に生きていることがいろんな面で過剰の上にあることが頭ではなく身体で理解できたように思います。いやいや、人間の身体は奥が深い!