THE RUNNING 走ること 経営すること

Running is the activity of moving and managing.

「信用第一」だからこその「赤字は悪」

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定期的にグループメンバー向けにメッセージを発信している。

そのフィードバックの中に、「利潤と道徳の調和を重要と言うが、『赤字は悪』というスローガンと結びつけると道徳がおろそかになりそうだが、そうならないように心がけていることはなにか」というものがあった。

当社には、経営判断の優先順位を定めた「五つの鉄則」というものがある。リーマンショックのころ、事業継続のための厳しい判断を迫られる中、決して曲げてはならない優先順位を言語化した。追いつめられると一線を越えないとも限らない。そうならないための判断基準である。信用第一、赤字は悪、仕組みを作る、成長を加速する、一芸を究めるという順番である。

利益を追求するまえに、信用を優先する。成長を追求するまえに、それを支える仕組みをつくる。そして、これらがそろって初めて、ビジョンの実現にまい進できる。創業経営者がハマりやすい、自分のやりたいことを優先して事業をおかしくするということへの戒めでもある。

特に重要なのが最初の二つ。信用第一、そして赤字は悪である。事業とは信用の上になりたっているものであるという当然のことを言っている。赤字であることは、そもそも信用において問題があるからこそ悪であるということである。

『赤字は悪』という言葉はインパクトが強いのだろう。しかし、その前に『信用第一』があることこそが、赤字は悪の意味を正しくする。

小諸で発見したBE GLOBAL

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ソラリスというワインをつくっている小諸にあるワイナリーに行ってきた。白が飲みたくなるとこのソラリスを飲むことが増えていたが、なんの予備知識もなく訪ねた。

そこで、昨年2023年に国際コンクールで世界一の評価を得たワインがあることを知った。10年ほど前まではどこかさっぱりしすぎる感覚があり、国産はむつかしいのだろうと思っていたが、知らぬ間に世界一を生み出していた。

西畑さんという若手の醸造責任者がこの快挙をけん引したという。フランスでの修行経験を踏まえつつ、小諸の土壌とぶどうのポテンシャルを最大に引き出すための栽培力を養い、すばらしいワインを生み出すに至ったそうだ。

海外のブドウ畑とはだいぶ趣の異なる小諸だが、ひたむきな、いい意味での野心と知恵と工夫によって、世界に通用する作品を生み出していることには感動しかない。

受賞したワインは完売だったが、ほかにも面白そうなものがあったので買って帰った。

半年近く酒を飲んでいなかったが、そろそろ飲みごろだな。笑

退屈と不安は一周回って同じことかも

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船旅に出る両親を埠頭まで見送ってきた。

巨大な船を眺めながら、自分はこういった旅は苦手だと感じた。

『暇と退屈の倫理学』(國分功一郎)を読んだところだった。「退屈」という感情を哲学するものだ。哲学とは「問題を発見し、それに対応するための概念を作り出す営み」と序文にある。

普段放置してしまいがちな心にささる棘のようなものを「問題」として特定し、心が安定するためにその正体を明らかにするということだろう。

なにかに「没頭する」ことが心の安定に欠かせないと考えてきた自分にとって、それ自体に問題意識を促すよい刺激になった。

併せて、『疲労とはなにか』(近藤一博)も読んだ。こちらは、疲労や疲労感というものの原因を「ウィルス」から紐解くというもの。人類でホモ・サピエンスだけが生き残ったことに、「不安」を強くするウィルス起因の遺伝子も強くかかわっているのではという話まで広がる。

哲学と科学という異なる分野であるが、両者はつながっているように思えた。私にとって、哲学で取り上げられている退屈という感覚は、行動に大きな影響を与える不安という情動の延長線上にあるからだ。

さまざまな不安から逃れるために、自分を駆り立てる環境をつくり、その環境で生き抜くために身体にもストレスをかける。没頭のあまり、本当の疲労を蓄積してしまうことも少なくない。GWのような休みはこの疲労が露出することも少なくない。

健全な没頭が自らを健康にするという本当の「自靖自献」に至るまでにはまだまだ時間がかかりそうだ。

こころの洗濯日和

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GWである。初日は軽井沢トレイルランニングレースに参加した。ゆっくりと4時間かけて1200md+,20kmを走った。

軽井沢プリンスのスキー場ゲレンデ頂上から狭い登山道でいったん碓氷峠めがね橋まで降りた後、昔の中山道を登りスタート地点まで戻ってくるコースである。古道にはあちこちに旧跡があり、楽しい。この道を通った先人を思い、心が洗われる。

レース後は、身体の回復である。なんとなく休まるコンテンツを選んでいたところ「限界集落住んでみた」というNHKの番組が目に留まった。老人中心の小さな地域に若者が一月滞在するドキュメントである。

よかった。

感想を書くことすら無粋と感じる。こちらも、こころが洗われた。

今年のGWはこころを洗濯して過ごすことにしよう。

新緑と明歴々露堂々

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平地では新緑がたくましく芽吹いている。1000メートルほど登ると、ひと月ほど季節が逆戻りする。タイムマシンのようだ。

毎年繰り返される四季であるが、草木が同じ場所で、その持っている本性を黙々と発露する姿は感動である。

人間のような生き物は、いたずらに動き回り、自分が何者かもわからなくなり思い悩む。自然の営みからふと我に返ることも多い。

ありのままの姿がそのまま表れているという意味の禅語に「明歴々露堂々」というものがある。昔から好きな言葉の一つだが、若いころは今一つピンとこなかった。

四半世紀を経て、なんとなくわかったような気がしてきた。昔から伝わる言葉は奥が深くて面白い。

ありたい姿をつくるための「非財務情報」

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上場企業の情報開示において、従業員のスキルや満足度といった非財務情報が注目されている。企業価値を高める長期的視点の経営に役立つからである。投資家にとっては、将来の成長性を知るための情報ということになる。

実際の経営も、財務諸表を中心とした財務情報以上に、営業パイプラインや、顧客との信頼関係、従業員の士気などなど、財務諸表に乗ってこない情報に依拠している。ところが、こういった非財務情報は、会計基準がないため個人や特定の組織の感覚によっているだけでなく、数値化すらされていない場合も多い。

一方、非財務情報の研究も進んでいる。PBR(Price Book value Ratio:株価純資産倍率)といった非財務要素を多分に反映する無形資産の価値を示す企業評価指標と、女性役員比率や、事業活動におけるクリーンエネルギーの使用率など、多種多様な非財務情報との相関分析もその一つである。世界がどのような未来を志向しているかが見えてくる。

しかし、企業経営においては、企業価値を上げるために相関関係の高い非財務情報を単純に適応することには違和感がある。というのも、経営における非財務情報とは、「こうありたい」という経営理念やビジョンが多分に反映されるからだ。

とはいえ、ありたい姿を言語化し、指標として表現することは案外むつかしい。そこで、評価されている指標を、外国語の単語を覚えるように理解して、自分の肌感覚を表す言葉として活用することは有効と感じている。

あくまで未来のストーリーは自ら考えるものである。しかし、適切な言葉を知らなければ、言語化できない。ということだ。

事業活動は、さまざまな人々によって創発されるものである。非財務情報を活用しながら対話が進めば、もっと魅力的な会社をつくることができる。非財務情報は創造的対話に欠かせない語彙集である。

シーズン開幕、平尾富士トレイルランニングレース

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今年も、個人的なトレイルシーズンが開幕した。

第一戦は、佐久のスキー場をベースとした平尾富士トレイルランニングレースである。いきなり残雪のゲレンデ直登からスタートし、しばらく使っていなかったヒラメ筋が気持ちよく悲鳴をあげた。

距離24km、累積標高が1200Dで、登りを序盤に集中させて、中盤からは長く走れるコース設定だった。最後に少しの急登を用意しているあたりもメリハリがあり、よかった。

マラソンと違い、自然や眺望に恵まれれば写真を撮り、ふとしたきっかけでランナーと軽い会話をするトレランは、ファンランナーにとっては遠足に近い感覚である。登りのきつさも降りのご褒美で報われる。やっぱりトレランは楽しい。

今シーズンは、怪我無くシーズンを完走することが目標である。