◇ オーバーワーク、オーバートレーニング
2月の東京マラソンでバーンアウトしてから、無理せず愉しむランへと切り替えています。その後のダメージが思いの外大きかったからです。
7月の富士登山競走だけは私の走力では五合目関門をクリアするだけでもかなり無理する必要があるのでやむなしとして、そこに向けた練習やレースも基本的にほどほどに押さえるようになりました。本来心身の健康のためにやっていることです。体調を崩しては本末転倒です。
考えさせられたのは自身のリカバリー力の低下です。ライフスタイルを変えずに昨年と同じペースで負荷をかけていると身体の回復が追いつかないのです。とはいっても、普通に過ごしていれば気がつかない程度の差です。東京マラソン後の体調不良がなければ気にもとめなかったでしょう。
これまでも、数年ごとにライフスタイルの見直しに迫られてきました。大抵はオーバーワークがきっかけでした。30代までは睡眠時間を削って時間を捻出するようなこともしていましたが、次第に身体がついて行かなくなり、段階的に量よりも質を重視したライフスタイルへシフトチェンジしてきました。今回もその一つです。
◇ 量は減らしても、質を下げないこと
今回のポイントは、リカバリーです。回復力と負荷のバランスに注目しています。負荷をかけないということではありません。「リカバリー可能な範囲での最大負荷をかける」ということがメインテーマです。
リカバリーという点に注目すると負荷そのものに手心を加える必要はありません。一方で負荷をかける時間とリカバリーのための時間のバランスに注意を払う必要があります。このバランスが難しいのです。
ヒントはBeyond TrainingやFast After 50などから得ました。たくさんのアスリートのパフォーマンスを長期にわたり検証した結果、負荷を落とすよりも量をコントロールするほうが加齢によるパフォーマンスの低下をゆるやかにできるとしています。その上で、筋肉量と体重を維持することが望ましいということです。
◇ 回復力は良質な負荷によって維持することができる
本書は身体的なパフォーマンスについて書いたものですが、私たちが生きているということはすべて身体的なことの延長線上であるので一事が万事という印象を受けました。脳を使って行う思考活動も身体活動の一つです。脳への負荷とは、良質の刺激を効果的に与え続けることです。
トレーニングも同様ですが、良質の刺激とは同じことを繰り返しているようで、実際には違うという性格のものです。本を読むというルーティン行為がある人にとっては、同じ分野の本を繰り返し読むだけでは無く、異なる分野の本も読むというというようなことです。(おや、そういえば同じ映画を繰り返し見る頻度が高くなっているような。。)
身体的に考えると、歳をとるということは細胞の再生力が低下するということでしょう。ところが細胞の再生力はまだまだわからないことが多いようです。適切な刺激を与えれば一度失われた機能も回復するような事例も増えています。
しっかりと負荷をかける一方で、しっかりリカバリーするということで細胞の再生力の低下を押さえる効果があるということを念頭におき、その効果のほどを確かめてみようと思います。
ちなみに、リカバリーのためには必要な栄養素をとることも当然ですが、とった栄養素を身体のリカバリーの役立てるには肝臓に余計な負担を与えないほうがよいのは当たり前ですね。きわめて残念ですが、そろそろ禁断の酒量制限に着手する時が来たかもしれません。いやいや、私にとっての酒は良質な刺激の一つですから、断酒しなければならないという事態だけは避けたいものです。
おまけ
シラーはあまり飲まないのですが、買値で30ドル程度にもかかわらず、あまりにうまかったので忘れぬように。