形を変えてきたAVANTカレンダー
お盆を過ぎたところですが、社内では来年のAVANTグループ卓上カレンダーの出荷に向けた写真の公募が始まっています。
かつてはすべて自前の写真で作成していましたが、公募制になった2013年版以来グループメンバーから公募されたものから12枚が選ばれ、1月から月替わりでデスクの上を飾るようになりました。
2017年版でバージョン17です。現在はそのフォーマットもほぼ定番化していますが、これまでに何度も写真に対する自信やパッションによって形を変えてきたものです。
初期には人工構造物があった
現在の写真は山岳風景中心です。写真の応募基準でも人工構造物は基本的にNGとなっています。しかし初期のバージョンでは人工構造物がメインとなることもありました。初版が2001年ですから、1999年から2000年の初秋にかけて撮った写真です。
当時はフィルムカメラだったのでその場で撮ったものを確認できません。画像を加工することもできません。なかなかグッとくる画がとれずになかなか難しいものだと感じながら比較的身近で無難な素材を撮っていました。
写真が足らなくて小さくなって、実用中心へ
2004年版は時間的にも精神的にも余裕がない時期とかさなり必要な枚数の写真がとれませんでした。無理矢理選んでも二ヶ月で一枚が限界です。満足のいく出来の写真がほぼ皆無だったことからカレンダーそのものも小さくしてしまいました。
そんな04版の評判はダメダメでした。写真もつまらないし使い勝手もいまいち。そんなフィードバックが多かったので翌年は思い切って実用中心にして写真はおまけとしました。
2006年版では一工夫して月齢も入れこれらはまずまずの評判でした。このころは写真の表現欲より卓上カレンダー本来の機能を優先しカレンダーとしての完成度を上げようとしていました。
デジカメの採用で写真の表現手段へ
2007年版で現在のフォーマットとほぼ同じになりました。実用カレンダーと写真カレンダー表裏一体型です。機材をデジタルに変更したことがきっかけです。
デジタルはなんといってもその場で写真が確認できます。デジカメを使うようになったとたんに写真の出来が変わりました。撮りながらどんどん自分のイメージに近づくことができるからです。好みの写真が撮れるようになると写真を撮ることがどんどん楽しくなってきます。そしてもっと好みの写真を撮りたいというパッションが強くなります。
その結果、カレンダーのデザインを決めるときに自分が撮った写真を自信満々で見せたのでしょう。長いつきあいのデザイナーさんから写真を前面に出してみましょうと提案いただきました。私の表現欲を察していただいたのだと思います。
表現手段としてのデザインへ
その後もたびたび表現したい写真に応じてカレンダーのフォーマットを変えていきました。 2011年版は縦の写真を使いたくて縦型にしました。ところがフレームが強度不足で次第に寝そべってしまうというリコール状態です。写真を気に入っていただけに残念でした。
そこで2012年、13年は卓上カレンダーとは別に壁掛け版を限定版として作成してしまいました。気に入った作品が撮れるほど、表現欲はますばかりです。多くの人の目に触れる作品となることをイメージしながら素材を探し、撮影することが本当に楽しかったのです。
こんな楽しみを独り占めしていてはもったいない。そんなことから2013年からは有志メンバー中心にカレンダーを作成するようにしました。まだ少数ですが、同じような感覚を共有できるメンバーも少しずつ増えています。
これまでも表現欲というデザイアに応じて変遷してきたデザインです。これからも、クリエイターが自分たちの表現手段として新たなフォーマットやテーマが生まれることを期待しています。
ようは、毎年最善のものをつくるんだというこだわりさえ引き継いでもらえればよいのです。表現手段はもっと自由にやってほしい!、そう願っています。もちろん、カレンダーにかかわらずすべての作品において!