今年のシルバーウィーク、天候がいまいちで残念ですね。今年は通常登山を含め富士山の頂上まで登っていないので、天気がよければ一本やっておきたかったのですが延期です。初冠雪まであとわずか、チャンスはあるかな。
週末のアクティビティ
こんな週末になるとなぜか思い出す20代の頃の情景があります。ある日曜日の朝、ぼんやりと天気予報を見ながら、「いい風が吹きそうだなぁ、ウィンド(サーフィン)に行くかいくまいか」そんなことを思っているシーンです。
当時は仕事もさることながら、仕事を終えてから酒をよく飲んでいたので土曜日はまず使い物になりませんでした。朝方飲んで帰ってきてそのまま玄関で寝ていたこともしばしばです。
それでも日曜日になると回復してきます。とはいえ、飲み過ぎと仕事の疲れが残る中、かさばるウィンドサーフィンの道具をもって遠方まで出かけて行くのはなかなか面倒です。それでも体感的にウィンドに行った翌週はメンタルが元気であること知っていたので、腰の重い自分を無視して出かけました。
朝、あれほど面倒に感じたにもかかわらず、海が近づいてくると心が高揚してきます。風をセイルに受け水面を滑走しているときにはなにもかも忘却の彼方です。そして、リフレッシュした状態で新しい一日を迎えます。
起業するまでは、毎週のように冬はスキー、それ以外のスリーシーズンはウィンド(サーフィン)やサーフィンに出かけていました。テニスもやっていました。いずれもあまり上手ではありませんでしたが、身体を動かすとメンタルが元気になるのでうまい下手はあまり関係ありませんでした。
起業してしばらくはそんな余裕もなくなりすべてやめましたが、仕事などでメンタルが疲れているときほど自然の中で身体を動かすことが効くという体験は忘れませんでした。
ゴルフをやめた理由
起業後いったんやめていたアクティビティはゴルフで復活しました。道具好きですのですぐにはまりました。
ゴルフ場の行き帰りのドライブ、緑に包まれ四季を感じられるコース、一緒にプレイする方々との会話などとにかく楽しいものです。スコアについても、練習やコースの読み、道具などさまざまな要素を組み合わせてつくることができるのでとにかくはまりました。
ところが、自分でコントロールできないほどの悩みにとらわれると一転してゴルフがストレスを増幅するようになりました。歩いている時間やドライブしているときも悩み続け、悩みのループに入ってしまうのです。ショットの瞬間も雑念が払えません。
メンタルのリフレッシュに効かない状況がしばらく続いて「これはゴルフをやっている場合じゃないな」とゴルフをやめました。
高速登山の効果
かわりに始めたのが登山です。芝を歩いても気が晴れないのは負荷が足らないからだ。かといってロードを走ると膝が痛くなる。では、ゆっくり長時間にわたり高負荷をかけられる山を登るのはどうだろう。そんなことを考え登り始めたらこれがあたりです。
まず、山に近づくとそれだけで心が高揚します。そして、登り初めて呼吸が一定のリズムを刻むようになってくるとそれまで頭の中に居座っていたさまざまな悩みが消えていきます。
消えると云うよりは、悩んでいる余裕がなくなるという状態です。呼吸に集中してペースをコントロールすることに集中しているうちに余計なことを一時的に考えられなくなります。ペースは一般の登山よりかなり早いものです。登山装備での高速弾丸登山です。これが重度のメンタル疲労からの回復に大いに役立ちました。
メンタルの不全から本当に回復するためには根本問題に向き合う必要があります。そのためにもことに当たるだけの体力気力が必要です。身体的健康からアプローチしてメンタルを養うことはとても意味のあることでした。
そしてメンタルを健全に維持する手段としての登山がトレイルランへと変化し、現在も試行錯誤に続いています。
メンタルの状況に応じてかける負荷が異なる
ランニングの負荷の目安としてニコニコランというものがあります。走りながら問題なく会話ができる程度の負荷です。通常のメンタル疲労には、散歩を含めニコニコランまでの比較的軽い有酸素運動が効きます。通常の登山もこのあたりのペースが楽しいですね。(図:ブルーのラインとグリーンのエリア)
一方で、もう少し重度のメンタル疲労には、余計なことが考えられない程度の負荷の高い有酸素運動が効きます。ゼイゼイハァハァと呼吸が激しいながらも、ある程度の長時間走れるレベルの負荷です。(図:オレンジのラインとイエローのエリア)
これ以上負荷をかけると足腰を中心に筋肉疲労が急激にきつくなり長時間の行動に支障がでます。それだけでなく登山やランの後のリカバリーに時間がかかるようになり、身体が必要以上に疲れてしまい逆効果です。(図:赤のエリア)
また、登山やトレイルランの特徴として負荷が常に変化するという点があります。自然のトレイルなので傾斜も歩きやすさも常に変化します。ペースを一定に保つことができない高負荷と低負荷を繰り返しやすい運動環境です。
インターバルトレーニングに近い状況です。比較的高負荷をかける場合はインターバル型が効果的です。負荷をかけてリカバリーすることを繰り返すことで、高負荷をかけている割には身体の負担が小さく、トレーニング効果も高くなります。その結果長時間走ることが可能になります。
また自然環境を走るということも重要です。ジムのトレッドミルではインターバルを選んでも1時間すら苦痛です。ところが自然の中であれば3、4時間も全く苦になりません。やはり、自然の中を走り歩くことが一番です。
メンタルの健全性を維持することは簡単ではありません。しかし、いろいろと試行錯誤してフィジカルからメンタルを健康にすることができるようになってきました。①自然の中を②状況に応じた必要な負荷をかけ、③走ったり歩いたりすること。これが現在の私にとってもっとも効く健康管理法であり、トレランを好んでいる理由です。
何事も過ぎたるは及ばざるがごとしですが、ちょうどよいバランスを見つけて上手に負荷をかけられるようになりたいものです。さて、これから少し負荷をかけに行ってまいります。