「経営情報の大衆化」アバントグループの共通ミッションとして掲げている言葉です。英語で会話する時は「Spreading Accountability」と表現するようになりました。
アカウンタビリティを直訳すると「説明する責任」ですが、本来の意味は「経営責任」というニュアンスに近いものです。単に何かを説明する責任ではなく、権限や義務に対する結果責任です。説明はそのために果たすべき項目の一つに過ぎません。
経営責任ですから、アカウンタビリティは子供の未来に対する親の責任というものには使いません。明確な定義は無いのですが複数の利害関係者に対する経済と道義的責任が他の責任という言葉との違いを際立たせています。
「経営情報の大衆化」はこの「アカウンタビリティ」を出来るだけ多くの組織単位に展開出来る情報環境を整えようと思いを込めた言葉です。統合された大組織よりも自律的な小集団の集合体が環境変化への適応に勝る、そして自立的な組織の集合体を育成するにはアカウンタビリティの展開が欠かせないと考えて来たからです。
日本には、以前より衆知経営や全員経営など自律的小集団を活かす経営的考え方が存在しています。しかし、これらの経営理念を支える経営技術は十分に進歩しているとは言えません。ゆえに、この経営情報技術の進歩に貢献しよう。これが初志です。
どこから手をつければ良いのか。そんな事を思案していた頃連結会計に出会いました。一般的な会計(アカウンティング)と違い、情報の最小単位が仕訳ではなく財務諸表である連結会計はアカウンタビリティのための経営情報の中心にある。そんな気付きからSpreading Accountabilityの第一歩を連結会計からスタートしました。
自立的企業集団の経営モデルであるグループ経営を支える情報システム、経営責任としてのアカウンタビリティを果たすために必要な情報環境を整えるビジネスインテリジェンス、アカウンティングではなくアカウンタビリティに集中するためのアカウンティング業務のアウトソーシング、いずれもSpreading Accountabilityを進めるために役立ちます。
「経営情報の大衆化」と「Spreading Accountability」いずれも言いたいことは同じなのですが、外国人経営者との会話を通して生じた意訳により意味不明な直訳を使うよりも圧倒的に伝わり安くなりました。あえて苦手な言語を使うことで、言いたいことが分かり易くなる事もあります。最近英語が面白くなってきました。
写真はZurich to Narita、機中からのアルプス三景。Google mapにて山座同定。
写真上:スイスアルプス、中央がおそらくVorfer Glarnishc
写真中:スイスアルプス、中央がおそらくSantis Mountain
写真下:日本アルプス、中央部が北アルプス白馬岳