THE RUNNING 走ること 経営すること

Running is the activity of moving and managing.

そうだ 本屋、行こう。

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・本屋とアマゾン

かつて大型書店通いは大量かつ広範な情報との接点でした。休日になるといくつかの気に入った書店に出向き、特にテーマを決めずに最上階から体系化された本棚を流し、その時々の意識、無意識との接点を探していました。

接点が見つかる度にしばらく立ち読みし、気に入ったものを数冊まとめ買いをして帰ります。大筋は立ち読みで済ませているので熟読するためのストックとして持ち帰ります。そういった本は寝室に並べ、休日や就寝前にランダムに読んでいました。

そんな習慣は、老眼とアマゾンの影響で激変し、この数年は殆ど書店に出向くこともなくなりました。

 

・本に書いていない情報

一方で、本よりも異なる世界の人との直接の接点を広げるようにしてきました。直接の会話や体験を通した学習機会では、相手のプロファイル、発言の背景、集まった集団の反応など五感をフル活用した議事録には残らない非言語的情報を咀嚼して自分なりの解釈へと昇華していきます。

このようなプロセスは最低でも小一時間、場合によっては数日、数ヶ月かかる事もあります。そこから得られた新たな知見は本からは得られない貴重な情報となる場合が多いです。

異世界ゆえ、事後に補完的な情報が得られるほど昇華の質も良くなるのでインターネットは大変便利なツールです。併せて他者とのブレストやディスカッションといったインタラクティブな手法を取り入れる事はより有効です。

このような方法は、嘗ての本屋との接し方と近いものがあります。五感を通して多様なジャンルの本とブレストのように接する。想像力は必要ですが、沢山の人と擬似的な対話が出来ます。

 

・行動に火をつける刺激と適切な行動とするための情報

本来、情報という刺激を取り入れる目的は、人間が本来持っているパッション、つまり何かをやりたいという本能に方向付けを与え行動に火をつける事と、一度動き始めた行動を適切な方向へとガイドする事にあります。

前者では、これまで自分の知らない新たな刺激、情報が有効です。後者は進んでいく方向に役立つモノゴトを深掘りするための情報が有効でしょう。いずれも自ら持つパッションを活かすための主体的な情報との関わり方です。

上記に加え、脳をリカバリーするための回復食的な情報も重要です。普段ストレスにさらされて未来について考える事に疲れているほど脳はコンフォートゾーンを求めます。脳の疲労も深刻な問題なので、その回復は重要です。瞑想や、好きな音楽を聞く事は有効です。ただし、情報との関わり方は主体的でないと危険です。

 

・ネットだけだと好奇心が萎える

本屋に話を戻します。

かつての総合書店通いは主体的な情報との接点として大変役立つものでした。書店という物理的な建物の中で、求めている本にたどり着くまでに沢山の寄り道が出来るからです。

それと比較すると効率的な販売活動と密接不可分の現在のネット情報は寄り道がしにくいと感じます。物理的な一覧性の低さにより、思いがけない新たな出会いは決して多くありません。

自分の過去の関心事をベースに繰り返し提供されるニュース、書籍はむしろ好奇心を萎えさせる事もあります。一方で、経験・体験を重視しすぎると体力的な限界にぶち当たり、いわゆるオーバートレーニング状態になってしまいます。いずれも健全なパッションを維持するには十分ではありません。

さて、どうしたものだろう。ぼんやりと機上の窓からの風景を眺めて浮かんできたのが次の一言。

 

「そうだ 本屋、行こう!」