新型コロナはあらゆる人の行動に大きな制約がかかる事からも社会的インパクトは戦争に類するものかもしれません。あらゆる人が他人事に出来ない災禍です。
とは言っても、人の健康なくして健全な社会、経済環境は成り立ちません。健康第一です。
良好な健康状態を維持するには心身両方に気を配る必要がありますが、身体よりも心の健康が心配な人も少なくないでしょう。私もその一人です。様々な情報の中、見通せない先を考える事で知らず知らずに精神は普段以上に疲労します。
そこで、心のサプリ。禅語を眺めながら心に留まったものを三つご紹介します。
莫妄想(まくもうぞう):妄想することなかれ
事実と同時に大量の仮説も情報として取り込む事で、自分の妄想が暴走しそうになります。未来を読む事は大切ですが、あまり読む事に必死になると妄想に囚われてしまいます。江戸時代中期の禅僧、白隠和尚は「病気が人間を殺すのではなく、妄想が人間を食い殺すのだ」と戒めていたそうです。健康を害するような思考の集中は、オーバートレーニングのようなもの、要注意です。
看脚下(かんきやつか):あしもとを見よ
先の見通しが困難な現状は光量が落ちたライトで夜のトレイルを走るようなものです。禅語では先を見通す明かりを失った時はあしもとを見よと言っています。禅語で言う「あしもと」とは自分が自分を幸せに出来る生き方、価値観のようなものです。他のランナーがそれぞれライトを持っていても、自分の足下や行き先を照らしてもらえるとは限りません。自分の足下がしっかり見えている自覚がないと要注意です。
日々是好日(にちにちこれこうにち)
そして、最後は日々是好日。妄想に追い立てられ、足下も見ずに過ごしているとあらゆる事が雑になります。そんな日々を繰り返している時の心の状態は悪くなるばかりです。出来るだけ意識して小さな動作、人との会話、意思決定などを丁寧にすると自然と心がリカバリーして来ます。一日に出来る事ってこんなに少ないのかと驚く事もありますが、それなりに丁寧に今日も一日過ごせたと思えれば大丈夫です。
さて、先の見通せない状況はまだ続きますが、健康第一で参りましょう!