THE RUNNING 走ること 経営すること

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ピアノ協奏曲、横から見るか 上から見るか

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「やばい、やばい、これはやばい!」心の中でなんどもつぶやきながら釘づけ状態。Yuja Wang(ユジャ・ワン)若き天才ピアニストの超絶技巧ピアノソロです。鳥肌が立ち続ける演奏を聴くのは久しぶり。彼女の手にかかるとモーツアルトのトルコ行進曲がこんなことに!

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さて、ユジャ・ワンの話題はここまで、今回はその演奏を見る位置の話です。

昨晩、ニューヨークでのこと。訪問先でアバントの社外取締役でもあるジョルジュ・ウジューさんから「今晩空いているか?」と聞かれ「大丈夫だ!」と返すと、「OK、それじゃぁコンサートへ行こう」とその場で映画のチケットのように自らネットで座席指定。「ピアノの演奏を見るのはここがベストなんだ」と彼が指定したのはLincoln Center David Geffen Hall三階の舞台に向かって左翼前方の席でした。

そこで聴いたというか見たのがユジャ・ワンの演奏です。ロンドン交響楽団によるワーグナーのマイスタージンガー前奏曲から続く二曲目が彼女をメインとするラヴェルのピアノコンチェルトGメジャー(協奏曲ト長調)です。リンクを貼ったYoutubeのトルコ行進曲はそのアンコールの二曲目でした。

マイスタージンガーは普通に聴いていたのですが、グランドピアノが指揮者の前におかれユジャ・ワンの演奏が始まった途端に「やばい」状況になります。

ユジャ・ワンの超絶演奏を左後方上から覗き込むことでまるでCG処理をしている映像を見るがごとしなのです。鍵盤と手指がピアノブラックの鏡面に写りこみ、その先にある弦とハンマーの動きと連動するさまは圧巻です。映画「海の上のピアニスト」で主人公がジャズピアニストの大御所と演奏バトルするワンシーンのようでした。

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この席は演奏のすごさを味わい尽くすことができる。こんな楽しみ方があるのかと感動しきりです。交響曲には交響曲の、オペラにはオペラの、そしてピアノコンチェルトにはピアノコンチェルトの楽しみ方があります。もちろん流派は人それぞれ。それでも今回のポジションは本当にすごかった。

ちなみに、オペラはできるだけ前の席がよい。これはまた別の師匠から教えていただいたことです。いろんな座席を試してみましたがこちらも納得です。

今回は音楽がらみで好きな映画をあと二つほどご紹介いたします。

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この映画がきっかけでラフマニノフを聴くようになりました。

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この映画の中心をなすチャイコフスキーのバイオリン協奏曲が私はクラシックで一番好きです。この曲をアレンジして使った映画、ライトスタッフが好きだということもありますが。

上記三作、見るたびに泣きます。こういった映画を見るのは、一人気兼ねなく泣ける場所がいいですね。