THE RUNNING 走ること 経営すること

Running is the activity of moving and managing.

「最後はなぜかうまくいくイタリア人」を読んで寄り道をしたくなった

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「最後は なぜか うまくいく イタリア人」(宮嶋勲)を読んだ。

ヨーロッパで行ったことがある国は、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、スイス。身近なようでなぜか一度も行ったことが無いイタリア、理由は簡単、仕事の用事がないからである。

20年以上、好きなイタリアのテーラーでスーツを仕立ててきた。おのずとイタリア人との接点もできる。私が一度もイタリアに行ったことが無いというと、笑いながら人生の損失だと言う。本屋で本書を見つけて、そんな会話を思い出し思わず手に取った。

著者は、イタリアと日本でワインと食の執筆活動を中心に活動されてる方である。両国の文化の違いを、楽しみながらわかりやすく当事者の視点で言葉にした本だ。

モノゴトを正確に運営する日本人と全く違う価値観をもったイタリア人ということなのだが、むしろ明治維新という英仏独化に一心不乱に舵を切る以前の日本人の多くは、地域によって人の特性がかなり違うところも含め、こんな感じだったのではないかと本能的な共感を覚えてしまった。

違いは武士階級という、有閑知識階級の存在だろうか。といっても、おそらくは郷士とよばれるような豊かではないが、儒教などの教養を身に着けた人々の存在が現在の違いにつながったのだろうか。などなど好奇心が高まる。

いずれにせよ、個人的には未踏の地である。リアルにその人々に触れてみないことにはなにもわからない。

イタリア人の哲学として本書にあった、オデュッセウスの「寄り道こそが人生だ」。一度、仕事抜きで訪れてみようか。そんな気持ちになった。