THE RUNNING 走ること 経営すること

Running is the activity of moving and managing.

今年の3冊は?すべて映画がきっかけだった!

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今年2017年に読んだ本をふり返ると、以前とはだいぶ本との関わり方が変わってきたことを実感します。本を読むという一事で完結するのではなく、見る、聞く、といった異なるメディア表現と融合しながら接することが当たり前になってきました。

今回は、映画を見たことがきっかけとなったものから三つご紹介します。

 

まずはオーディオブック、ながらランでヘビーローテーションしたもの。

1.The Martian:アンディ・ウィアー(オーディオブック)

映画「オデッセイ」の原作です。原作の日本語タイトルは「火星の人」でハヤカワ文庫から出ています。ハヤカワ文庫は中学生の頃よく読みました。アーサー・C・クラークの2001年宇宙の旅から入ったのかな?そのあとスタニスワフのソラリスへと行ったような。

ラン中は意外に沢山のことを気にしながら走っているので、本を読むようにオーディオブックに没入できません。車でラジオを聞き流すときと同じです。

映画「オデッセイ」を先に見ていたので、英語であってもなんとなく筋が追えるので聞き流すのにはもってこいでした。英語に疲れると、映画で使われていたデビット・ボウイのStarmanやグロリア・ゲイナーのI Will Surviveをヘビロテしていました。

 

次はマンガです。

2.この世界の片隅に:こうの史代(電子書籍)

コトリンゴが歌う「悲しくてやりきれない」で始まるオープニングから一気に心をもっていかれた「この世界の片隅に」。オンディマンド配信されるようになった頃、ちょっと見ておくかと軽い気持ちで見始めたのですが終わる頃にはなんと号泣!なぜ涙がでたのかが解らず、その理由を知るために原作を読みたくなり即時購入です。

映画同様、原作のつくりこみのすごさに圧倒されました。時代背景やそこで描かれていることを含めかなり考えさせられます。うんちくを書き始めたらとまらなくなるので止めておきます。

 

最後は本です。

3.関ヶ原:司馬遼太郎

司馬遼太郎の書いたものはほとんど読んだつもりでいたので、映画「関ヶ原」を見るまで原作を読んでいなかったことに気がつきませんでした。こちらも印象的なオープニングで、司馬遼太郎が少年の頃を思い出すシーンから始まります。「おー、司馬節だぁ」とニヤニヤしながら見始めたものの、次第に「???」。「あれっ、これ読んでないじゃん」これほどの定番をまさか読み逃しているとは夢にも思わず、映画の最後までそれが気になり続けるありさま。

二十から三十代にかけて作家と言うよりは、思想家としての司馬遼太郎に傾倒していたのですが、「坂の上の雲」を読み終えた時に、司馬哲学ここに極まれり!と勝手区切りをつけたためです。

久しぶりに触れる司馬遼太郎の文章は新鮮でした。そのおかげで、十数年ぶりに「坂の上の雲」を取り出してこの年の瀬に読み直しています。

私には気になる文章があると、そのページに小さく折り目を入れるくせがあるのですが、折り目のあるページにさしかかると、自分がそこから何を感じていたのか、そんなことを思い返しながら司馬遼太郎が残した言葉の偉大さを再確認しています。

 

 

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写真は多摩川二ヶ領上河原堰、はじめの写真は堰より少し川下からこの川の源流である奥多摩の山々を臨んだもの。