THE RUNNING 走ること 経営すること

Running is the activity of moving and managing.

ありたい姿をつくるための「非財務情報」

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上場企業の情報開示において、従業員のスキルや満足度といった非財務情報が注目されている。企業価値を高める長期的視点の経営に役立つからである。投資家にとっては、将来の成長性を知るための情報ということになる。

実際の経営も、財務諸表を中心とした財務情報以上に、営業パイプラインや、顧客との信頼関係、従業員の士気などなど、財務諸表に乗ってこない情報に依拠している。ところが、こういった非財務情報は、会計基準がないため個人や特定の組織の感覚によっているだけでなく、数値化すらされていない場合も多い。

一方、非財務情報の研究も進んでいる。PBR(Price Book value Ratio:株価純資産倍率)といった非財務要素を多分に反映する無形資産の価値を示す企業評価指標と、女性役員比率や、事業活動におけるクリーンエネルギーの使用率など、多種多様な非財務情報との相関分析もその一つである。世界がどのような未来を志向しているかが見えてくる。

しかし、企業経営においては、企業価値を上げるために相関関係の高い非財務情報を単純に適応することには違和感がある。というのも、経営における非財務情報とは、「こうありたい」という経営理念やビジョンが多分に反映されるからだ。

とはいえ、ありたい姿を言語化し、指標として表現することは案外むつかしい。そこで、評価されている指標を、外国語の単語を覚えるように理解して、自分の肌感覚を表す言葉として活用することは有効と感じている。

あくまで未来のストーリーは自ら考えるものである。しかし、適切な言葉を知らなければ、言語化できない。ということだ。

事業活動は、さまざまな人々によって創発されるものである。非財務情報を活用しながら対話が進めば、もっと魅力的な会社をつくることができる。非財務情報は創造的対話に欠かせない語彙集である。

シーズン開幕、平尾富士トレイルランニングレース

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今年も、個人的なトレイルシーズンが開幕した。

第一戦は、佐久のスキー場をベースとした平尾富士トレイルランニングレースである。いきなり残雪のゲレンデ直登からスタートし、しばらく使っていなかったヒラメ筋が気持ちよく悲鳴をあげた。

距離24km、累積標高が1200Dで、登りを序盤に集中させて、中盤からは長く走れるコース設定だった。最後に少しの急登を用意しているあたりもメリハリがあり、よかった。

マラソンと違い、自然や眺望に恵まれれば写真を撮り、ふとしたきっかけでランナーと軽い会話をするトレランは、ファンランナーにとっては遠足に近い感覚である。登りのきつさも降りのご褒美で報われる。やっぱりトレランは楽しい。

今シーズンは、怪我無くシーズンを完走することが目標である。

 

ペイフォワードとしての入社式 

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明日、アバントグループ各社にも新卒のメンバーが加わる。

これまでは事業各社単位で入社式を行っていたが、今回からグループ合同で実施することにした。

新たに社会人になる人たちに伝えたいことが出てきたからだ。

思い返せば自分も様々な人生の先輩から多くを学んできた。その時々でその意味や価値を理解できていたかといえばその限りではない。しかし、今の自分のカタチはそういった人たちによってつくられてきた。

少し遅いかもしれないが、そんな先輩たちへの恩返しの一つである。ペイフォワード(PAY IT FORWARD:恩送り)というやつである。

話のテーマは「志と人」、一方的な講話ではななく、ブレストを交えた簡単な研修のようなコンテンツを用意している。

未来をつくる新たな社会人との対話が楽しみである。

会社の未来をデザインするための統合報告書

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目黒川で今年最初の一輪を発見。

 

ようやく、アバントグループの新しい統合報告書の校了が見えてきた。日本でもある程度ポピュラーになった「商品としての会社」の総合カタログである。

3月7日にNHKのEテレ「とまどい社会人のビズワード講座」で「統合報告書、ROE」が取り上げられていた。番組冒頭で昨年版の当社統合報告書が紹介されていた。マンガをつかった点が面白かったようだ。

当社では、会社という商品のデザインを進めるきっかけとして2019年より統合報告書の作成を開始した。グループ経営により生まれる多様な事業や個性を生かすために会社というものをデザインしなおしたかったからである。

一冊目は「初志」をメインテーマとしてマンガを使った。二冊目は初志の先にあった「企業価値」というものの理解を中心にした。三冊目はそれらを踏まえて私たちがどのように社会に役立ちたいかというテーマを言語化した。そして、今回は具体的な商材についてである。

正直言って、会社の総合カタログとしてはまだまだ未熟である。しかし、会社の未来をデザインするためのアウトプットツールとしてはかなり役に立っている。投資家の方々向けではあるが、むしろグループメンバーにこそ読んでほしいという思いで作成している。

来年のメインテーマは人財戦略にしたいと考えている。統合報告書の作成プロセスを活かし、戦略の解像度を向上したい。

スキー専用ゲレンデにいったら、再開したスキーがスポーツになった

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4月から始まるトレイルシーズンを前に、レースコースで走ったことのあるスキー場に出かけた。一昨年参加した美ヶ原トレイルランのメイン会場だったブランシュたかやまである。

スキーヤー専用のゲレンデらしく、レベルの高いスキースクールの様子をリフトから眺められるのが楽しかった。野沢温泉など、最近は外国人のほうが多いのではと思うスキー場が増える中、日本人以外をまったく見かけなかったのもある意味新鮮だった。

スキー場のある戸隠や野沢温泉などを舞台とするレースに参加するにつれ、しばらく遠ざかっていたスキーへの関心が高まった。十数年ぶりに板と靴を新調しようと、店の人に相談したら年齢や経験を踏まえて、初中級者向けのものを薦められて素直に従った。もちろん格段に進化している安全装備もしっかり整えた。

こうやって再開したスキーであるが、扱いやすい板で心肺機能を追い込むことのない滑降で物足りなさを感じていた。そんな矢先でのブランシュたかやまである。スキースクールの様子を見るにつれ、少し真面目に滑りたくなった。

気になっていたHEADの板のレンタルもあったので、いくつか試しながらショートターンをひたすら繰り返した。おかげで今日はぐったりである。ランとは違う疲労感だ。再開後はまったく疲労感を得られなかったのでスキーはスポーツじゃない、などどうそぶいていたが、前言撤回である。

おそらくこれで滑り納め。いよいよトレイルランのシーズンが始まる。

無理せず全力というスタンスは、問題の設定から始まる

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10代から、書くことで心を整える習慣が続いている。今でいう「言語化」である。もやもやした感情を言葉にすることで、不安や恐怖感の理由を特定し、解決のための行動に集中することができる。

 

自分との対話は、壁にぶつかった時に長くなる。順調な時は短くなるが、経験上、そんな時こそ危険だ。時間を無為に過ごしてしまうことも少なくない。

 

そんな経験を繰り返すうちに、特に書きたいことがない時でも「問題は何か?」という問いかけを行うようになった。少し身体が疲れていると感じれば、無理な運動をせず、リカバリーを優先する。そんなことも問題設定の一つだ。

 

ところが、問題の設定は案外難しい。他人から与えられるものではなく、自らつくるものだからだ。創造力がカギになる。「無理せず全力で」というスタンスにも通じる今年のテーマ「自靖自献」は、創造的な問題の設定から始まる。

東京マラソン2024、無理せず全力で走ってみた

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今日は東京マラソン2024。

天候にも恵まれ、2017年のパーソナルベスト(PB)を3分更新した。

もとのPBがそれほどでもないとはいえ、58歳でPBを更新できたのは驚きだ。

無理せず全力というスタンスが効いている。

しかしながら、来年はもっと、などという気にはならない。

いろんな工夫のご褒美という程度で満足、満足。