世界には、すごい人があふれている。Youtubeやネットを通して、メディアで取り上げられる一部の人だけではなく、本当にたくさんのすごい人がいることを実感する。
「ICEMAN」という本を斜め読みした。
ヴィム・ホフという人による「コールド・トレーニング」の本だ。一種のアイシング効果だろうか。呼吸をコントロールして身体を冷やすことで自律神経を整えることができるようになるというものである。
まぁ、それはいい。問題は、ヴィム・ホフが挑戦したことである。マイナス16度の中をランパンとサンダルだけでフルマラソンを走っている。他にもいわゆる変態クラスのチャレンジを成功させている。
経営の世界にもたくさんのすごい人がいる。
いろんな経営者の話を見聞きして、憧れはしても、簡単にはマネができない。経営者が百人いれば百様のチャレンジがあるからだ。
しかし、コールド・トレーニングにように、自分たちのチャレンジに役立つ手段のヒントを得ることはできる。昨年より東証が要請している「資本コストや株価を意識した経営」によって開示されている情報もその一つである。
自分が起業した四半世紀前は、資金調達先と言えば銀行だった。銀行から借入を行う条件が黒字経営だった。ゆえに、売上利益だけに注力していればよかった。
しかし、上場企業として多くの株主を迎え入れるようになると、銀行借入のように金利をつけて返済していれば本業集中できるというわけにはいかない。
少なくとも、自社のあるべき値段(理論株価)を考え、市場価格とのギャップにも責任をもった経営ができなければアクティビストや競合からの介入を招き、一番重要な本業集中というわけにいかなくなる。
企業価値を高めることは、経営者が自らのビジョンを実現し、長期的な成功を収めるための不可欠な手段であると考えている。