企業には多くの場合中期計画というものが存在します。しかし、急速に変化する時代に計画経済的なアプローチは機能しません。そのため、数年後の目標を「中計」と呼ぶことが一般的です。
しかし、中長期の目標設定は簡単ではありません。売上や利益といった結果指標だけを目標にすると、それを達成するための行動品質に目が届かず、結果としてお客様や社会、社員に迷惑や負担を強いてしまうなんてことは「経営あるある」です。
このような問題は、水平、垂直ともに加速している分業的な仕事の仕方も原因の一つです。役割分担により各人が持つ情報が限定され、目標設定も局所的になりがちで、全体としてのバランス感覚を養いにくいからです。
もし、全員が社長の視点で事業を考え続けることが出来れば、信用や健康が何よりも重要であること、そしてそのために最適な事業成長と利益を追求することこそが経営であると同じ答えに至ると思います。読み継がれた古典を読むほど確信します。
しかし、社長自身がこの当たり前のことを忘れてしまうことも珍しくありません。私自身も事業の成長に伴って役割分担を進める中で、任せた事柄について当事者意識が弱くなった経験があります。その結果は決して良いものではありませんでした。
いかに役割分担を進めても、「当事者意識」だけは決して手放してはならないということを強く認識しています。そんなことを心掛けながら、来月から始まる次期中計の準備に取り組んでいます。