GW初日、四年ぶりの再挑戦だったトレイルレースULTRA-TRAIL Mt.FUJI2018のSYTに参加してきました。
UTMF・STYは年により開催時期が秋になったり、コースが東ルートになったりと毎回コンディションが異なります。今回は、前回参加した2014年大会と同じ春開催、ルートも西回りとほぼ同じもの。再挑戦の身にとってはありがたい設定でした。
前回早々に脚を使い切ってしまった天子山地(30キロ~40キロ地点)でしたが、今回は順調にクリア。同時開催100マイルのメインレース、UTMFの先頭選手はSTYから3時間遅れのスタートでしたが、この天子山地で次々と走り抜けていきました。早いランナーの邪魔にならぬよう、その都度道を譲ります。写真はその時の様子。
天子山地では気温が下がり霧もでましたが、山を下り始めると天候回復。月の光に照らされた富士山はなかなか幻想的。ここから10キロ下ると前回のリタイア地点である「麓」。今回はこのエイドステーションでコーラをがぶ飲みして富士宮やきそばをお替りして元気回復。無事関門を通過しました。
点滅ライトが必携品のレース。前方を行くランナーの赤、青、緑などのカラフルな点滅ライトを追うように進みます。この時点ではまだ元気でしたが、この先の峠を超えて本栖湖を抜けたあたりから、空腹だけど食べられない胃腸不良とエネルギー不足からくる妙な眠気に悩まされました。
鳴沢氷穴を過ぎた朝4時半頃には空が明るくなり眠気も解消。写真は5時過ぎの紅葉台付近です。この頃になると不思議と気力回復。ここまでエネルギーを温存するために脳がスリープモードになっていたのだろうか。
ゴールのある河口湖が見えてきたところ残り6キロ地点。19時間弱のショートトリップ。ゴール直後の感想は「長いレースはもうやらん」でした。とはいえ、四年前の借金返済!スッキリしました。
感想
今回参加してあらためて痛感しているのは、「ロングはダメージが大きい」というものです。レース終了直後はそれほどダメージを感じなかったのですが、日を追ってインナーマッスルや内臓疲労に起因するトラブルが生じ、レースから一週間たっても完全リカバリーとはいきません。
ロングが身体に悪いことはわかっていたので、年に1本ハセツネだけにしていました。しかし、UTMF・STYは人気レースで当選確率は五分五分、まぁ当たったら考えようという軽い気持ちでエントリーしたのですが、当選通知があった時は正直燃えるものが込み上げてきました。やはり、四年前のリタイアがどこかに引っかかっていたのでしょう。
とはいえ、ロング仕様に身体をつくっていないのでどうしたものかなぁと思っていたところにイギリス人の知人で、年齢は私よりも6歳年上のロジャーからUTMB(フランスで開催される世界最高峰の100マイルトレイルレース)に挑戦するというメッセージをもらったことで火がつきました。
先日、iPS細胞の山中伸弥先生が今年のフルマラソンでパーソナルベストを出したという記事を読んだときも同様です。ランナーでもある村上春樹さんが著作の中で50歳がピークだったというものを読んだことで俺もそろそろペースダウンかなと考えていましたが、そんな思い込みも軽く吹き飛ばされました。
老化には逆らえません。なりゆきに任せるとパフォーマンスも衰えていくものです。しかし、老化がストレートに反映するスポーツでも工夫と意志次第でパーソナルベストを出せる領域があることをロジャーや山中先生のようなパイオニアから刺激をもらい自分もチャレンジを続けることが出来ています。
実際、今回レースに出て四年前よりも確実にトレイルランナーとしてのスキルが向上していることを実感しました。前回あれほど苦しかった天子山地も、今回は余力をもって越えることができました。ゴール時点でもまだまだ余力を残していました。準備と回復をしっかりやればまだ行けそうです。
走り終えて「もうロングはもうやらん」と思う反面、本大会のメインレースであるUTMFが気になり始めています。真夜中にもうろうとして歩いている最中も「もうやらん」と念仏を唱えていたにもかかわらずです。面白いものです。
さて、次の目標、どうしようかな。