寺田寅彦の「天災と国防」をパラパラとめくり、先人が残した教訓がありながら、自分事としてそれらを活かし様々な事態に備える事の難しさを感じています。
活きた教訓は、事に直面した当事者が残したものが大半です。それ故に価値があります。当社にも厳しい経験を経て生まれた教訓がいくつか存在しています。
「三志向」と呼んでいるものもその一つです。「お客様志向」「高収益志向」「一芸志向」をまとめたものです。自分が貢献する対象が明確か、その貢献方法は最善のものか、その領域で卓越する事が出来るかを問います。自分たちの事業が実需に即し、役立つものかを点検するためにあります。
事業が順調である事で無意識の驕りが生じてお客様への貢献価値が低下した結果、業績が低迷するという事態に陥った経験から生まれた教訓です。こういった痛い経験を伴った教訓も目に見えない社会や組織の財産であると思います。
経験知を生かせる組織のレジリエンスは高い。世代を超えて経験という知的資産を活かせる組織として行くことを強く重視しています。