回復する経済活動と変化する働き方
10月になり、通勤など人の動きが活発になって来ました。経済はヒト・モノ・カネ・サービスといったものが循環して成り立っています。それらを回すのが人の活動ですので、フェーズが変わったと感じています。一方、一気に広がったリモートワークにより以前とは異なる形を模索している仕事も少なくないでしょう。
ポータビリティの無い経営者
話は変わりますが、だいぶ昔、少し経営に自信を持ち始めた頃、十数年前の話です。知り合いのヘッドハンターに、「経営のプロとしてどこか雇ってもらえるところはあるかなぁ」と軽口をたたいたところ、「どこもないよ」と即座に切り捨てられました。「経営者ってのは、案外ポータビリティは低い。ましてや創業経営者なんて売れません」と言うのです。
他流試合の意義
現場たたき上げの経営職人を志向してやってきたつもりだっただけに、商品価値の無い現実にショックを受けました。よし、勉強し直しだ!と意気込んでみたところで転職や学校に行き直すという訳にも行きません。そこで挑戦したのが「他流試合」です。他社の経営に参加する事で、経営者としての力を養おうというものです。社外役員、M&Aなど、すでに他の経営者の色がついた環境でも、経営者として役立つようになろうと十年以上試行錯誤が続いています。しかし、そこから得られた経験は座学や独学では決して得られないものでした。
他でも通用する人を育てられる会社
経営も専門職の一つ。そう考えると、事業というものは、多様なスペシャリストによって成り立っていることがわかります。長期にわたり同じ組織の中にいると、自分が何のスペシャリストかを明確に意識して研鑽する事は簡単ではないでしょう。しかし、変化する働き方の先には従来以上にスペシャリティが重要になります。
そのためにも、他流試合のように、自分が何屋であるのかを問い、それが他でも通用するかを確認する場が必要です。もはや個人だけで解決するテーマではありません。むしろ自社のメンバーをいかに他でも通用する人材に出来るかを考え、そのための環境つくりが出来る会社となることが今後ますます重要になるでしょう。
自他の垣根を越えた、人の成長環境をつくりたいと考えています。