動的に変化するステークホルダー
企業は様々なステークホルダーとのバランスが求められます。しかも、そのバランスは常にダイナミックに変化します。当社のステークホルダーも、スタートアップ時点から現在に至るまでどんどん変化して来ました。中でもグループ経営に移行してからのバランスの変化は非連続的なものでした。
グループ経営でバランスをつくるのは簡単ではない
異なるリーガルエンティティの集団で行うグループ経営は、全体のバランスをつくる上で重要な経営理念や価値観のみならず、企業価値に直結する戦略も発散しやすい傾向にあります。理念と戦略は論語とソロバンのように両立すべきものですが、経済的な価値向上を優先し理念や価値観を後回しにする事もあるでしょう。それぞれの事業が自立するほどグループ経営で全体最適のバランスをつくるのは簡単ではありません。
バランス感覚を養う「内外一致」
そんな問題意識から、全ての経営メンバーが多様なステークホルダーとのバランス感覚を養う「内外一致」という考え方を持つようになりました。財務会計と管理会計の情報を一致させる財管一致に対して、「内外一致」は外部へのアカウンタビリティとグループ内部のアカウンタビリティを同期させるというものです。前者はデータの整備ですが、後者は人の成長プロセスの話です。
ステークホルダー資本主義時代のグループ経営
グループ経営はダイナミックな事業成長や構造転換の手段としても用いられています。しかし、事業活動はどこまで行っても人の活動です。グループの経営に関わるメンバー全員が様々なステークホルダーの視点を理解し、自分たちの事業をグループ、ひいては社会の構成要素として俯瞰する視点を持つことがこれからのグループ経営の進歩に欠かせない要素となると考えます。「内外一致」はESGやSDGsなどの流れをくむステークホルダー資本主義時代にこそ役立つグループ経営プロセスとなるでしょう。まずは実践と言うことで、当社でもそのチャレンジをススメます。