出張で来たニューヨークから足を伸ばしてアメリカ北東部ニューイングランド地方に行って来ました。
紅葉を指す錦繍という言葉を知ったのは四半世紀も前に宮本輝の「錦繍」を読んだ時です。以来、錦繍と言えば蔵王のイメージだったのですが、ニューイングランドのそれは想像を超えていました。
紅葉が錦繍と成るにつれシャッターを押していたのは始めだけ。錦絵の如くに染まった広大な空間に在ると、写真に収まらない自然の迫力に圧倒されるばかりでした。
修験道のような山岳信仰が発展した日本ではどんな山でも、どこか家のような感覚を覚えますが、北米の圧倒的な自然からは未だ、人を寄せ付けない野生を感じます。
被写体によって、撮ることを忘れしてしまうことが時々あります。今回はそんな被写体との邂逅でした。