ビジネスインテリジェンスとは企業経営にかかわる情報の編集手段つまり道具です。ビジネスインテリジェンス、ちょっと長いのでここからはBIと略します。
私が道具という言葉から連想するのは、スタンリー・キューブリックの2001年宇宙の旅です。ごらんになった方も多いと思います。制作開始からすでに50年、もはや古典ですね。
その冒頭、人類の祖先であろう猿人同士の戦いで、大型動物の骨を使って一方を打ち負かします。勝利した猿人が歓喜して、その骨を宙高く投げると骨が転じて宇宙船になるというシーンはまさに道具の発見と現代の最先端の道具をつなげ、人類とは道具を創るものであることを強烈に印象づけています。
BIを企業経営にかかわる情報の編集手段としましたが、目的からイメージするほうがよいかもしれません。たとえば新聞。世の中で起きていることを分野ごとに精通している記者がわかりやすいようにかみ砕き、紙面という情報にパッケージングして届けるものです。社会の情報ですから、ソーシャルインテリジェンスという感じですね。
人はなぜ新聞を読むのでしょうか?それは、社会で起きていることを知って、自分の生活に役立てたいからですよね。もちろん人によって役立て方は異なります。一般紙は広く多くの人にとって役立つように、社会全般を網羅するように編集しています。
新聞の場合は、社会で起きていることを知りたいというニーズに応えるものですが、ビジネスインテリジェンスは、事業環境で起きていることを知りたいというニーズに応えるものです。
それも、業績を高める責任を持つ人、会社の経営者向けという極めてニッチな新聞です。
新聞にも、株式新聞のように株の売買に特化した専門紙もありますが。BIによって編集される情報、つまり新聞にあたるものは特定の会社の業績をよくすることを目的とした極めてニッチな情報パッケージです。
そんな新聞では商売になりませんからだれも発行してくれないですよね。だから社内報や学級新聞のように自分たちでつくるしかありません。でも、いざ毎日会社業績をあげるための新聞をつくろうとしたらどうでしょう。社内報のように、社内で起きていることの広報ではなく、業績をあげるために貢献することを目的とした新聞です。なんかとても難しそうですよね。
だから、それを助けるための道具が必要なのです。そして、その道具こそBIです。ではBIどんな道具なのでしょうか?新たな技術との関係も深いので、次回以降で、それらのトピックも併せながらBIの世界に触れていきます。
PS:少し日の出が早くなってきましたね。