THE RUNNING 走ること 経営すること

Running is the activity of moving and managing.

日本語をローマ字で書いたような経営情報

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今日は、今年初めてのトレランレース。新緑がまぶしい季節になりました。


当社、アバントにはジョルジュ・ウジューさんと言うベルギー人社外取締役がいます。欧米の金融業界を中心に幾つものグローバル企業経営に携わって来た経験を活かし、アバントグループの企業価値向上のためのアドバイスを率直に行っています。

先日の取締役会でもハッとする事がありました。財務数値の幾つかについてその是非を問われた事に対し、増減理由や明細の説明を繰り返していた時の事です。

ウジュー氏から、「詳細を知りたい訳では無い。その数字が適正か否かを知りたいだけだ。」と一瞬その場が静まりかえる程、強い意見がありました。日本の会計基準の違い、グループ経営モデルの違いなどが背景にあり、日本人同士であれば補足説明程度で済む話でした。

しかし、欧米社会での経営の知見を活かすために、日本や会社独自のコンテキストの理解に時間をかける無意味さと、知見を活かす経営情報に対する重要性の認識を求められました。

大きな意識のギャップがある事がハッキリとしました。欧米の経営者と比べ、私(達)は無意識に数字の行間にある暗黙の意味を読み取ってしまい、国際語足る定量情報に対する重要性を軽んじていると言う事です。

数字は数字なのですが、私(達)が使っている定量情報は日本語をアルファベットで書いている様なものだと受け止めました。

では、会計基準をIFRSにすれば良いかと言えばそれだけでは不十分です。英文で報告書類を作成し、基準をIFRSにしても数字の背景にある経営者の意識が変わらなければ経験豊富な外国人の智惠は取り入れられません。

自己の経験のみではなく、広く外部の叡智を獲得するための経営情報のあり方について、外国人経営者が日本企業の社外取締役として機能する情報という視点でも考えて行く事にしよう。そんな気づきを得た役員会でした。