
先週、面白法人カヤックの株主総会終結の時をもって、社外取締役を退任した。といっても、縁がきれるわけではない。建設的にカタチを変えたというものだ。カヤックの上場前を含めて、通算11年にわたり社外取締役として関わってきたが、もっとよい面白軍団との関わり方があると思うようになったからである。
カヤックは面白法人である。世の中を面白くする、面白いことをやりたい人にとっての理想郷の建設を目指した営利法人だ。営利法人ではあるが、面白いことをした結果として儲ける、つまり先義後利ならぬ、「先趣後利」が経営方針である。世にも珍しいというか、他では目にしたことがない。
カヤックには、「なにをやるかより、だれとやるか」という考え方がある。それは、たんなる仲良し集団を目指したものではない。なにか面白いことをしたい。そんな意志を持つ人間があつまって、切磋琢磨してそれぞれの夢を実現する、という集団行動をつくる。当然、集まる人は皆、青臭く、多様で、面白い。会社というよりも、楽市楽座のような開かれた市場のようだ。
そんなカヤックの面々との縁は、先義後利的な、利の前になんらかの目的を持つことを好む自分にとって、趣という、常識では利を浪費して得るような行動をもって利をつくるという甚だ青臭い取り組みは刺激的なだけでなく、人の気持ちもいい。それこそ、面白い。
上場企業の社外取締役は、企業価値向上の番人である。短期的とは言わずとも、企業価値の向上につながる具体的な戦略や行動を求めたくなる。しかし、面白法人の先趣後利を全うしようとするほど、時間軸をかなり長期にひいて企業価値をみなければ真の価値は見えてこない。
さて、どうしよう。悩んだ挙句たどり着いたのが、株主として面白法人の貫徹を応援するというものだった。株主にもいろんな役割がある。株式の活発な売買を通して市場の値段をつける役割を担うものもあれば、長期に渡りオーナーの一人としてその経営を支えるというものもある。さまざまな意図をもった株主が健全なバランスをもって機能すると健全な経営が促される。人間にとっての腸内細菌のようなものだ。
ということで、これからはアクティビスト(笑)である。といっても、目的はただ一つ、面白法人の貫徹だ。面白法人の健康に役立つ腸内細菌として、これからも超長期で関わっていこうと思う。
MAKE TOMORROW!
PS:Photo by Junichi Sato